昨年末のプレーオフ(参入戦)を勝ち上がり、7年ぶりにプレミアリーグ(高円宮杯U‐18サッカー1部リーグ)に復帰を果たした愛媛FC U‐18。今年の4月から意気揚々と(日本の)高校年代最高峰のリーグに臨んでいるが、そこには厳しい現実が待ち受けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 昨シーズン、プレミアリーグ復帰の原動力だった3年生はチームを卒業し、新3年生や新2年生たちが中心となり新チームを構成している。2年生の頃からレギュラーポジションを獲得していた有能な選手も多数、現チームに残っている。シーズン前には「今季の愛媛FC U‐18であれば、プレミアリーグ(WEST)残留も容易いのでは……」とも囁かれていた。

 

 2019シーズン開幕戦では名古屋グランパスU‐18を2-0で破り、プレミアリーグ復帰戦を白星で飾った。この勝利で、リーグでの戦いに自信を持ったが、シーズン前の考えも含め、認識が甘かったのかもしれない。

 

(写真:プレミアリーグ2019第2節。ガンバ大阪ユースとの戦い)

 4月14日(日)には、プレミアリーグ(WEST)第2節が行われ、ガンバ大阪ユースと対戦した。ホーム開幕戦ということで、会場には300名を超える大勢の観客やサポーターが詰め掛けた。G大阪のサポーターも駆け付け、試合前から応援合戦となり、明らかに昨年までのプリンスリーグ四国の会場の雰囲気とは異なっていた。

 

 試合が始まると相手チームに高い位置でプレスを掛けられ、押され気味の展開に。ピンチを迎えるも、GK草野真人選手を中心にDF陣が踏ん張り、ゴールを死守した。愛媛は徐々に落ち着きを取り戻し、両サイドのスペースを使って攻撃を組み立てる。

 

 前半36分、敵陣左サイドのDF三原秀真選手から相手DFラインの裏に飛び出したFW上岡陸選手にスルーパスが通る。ペナルティーエリアまでボールを持ち込み右足でシュートを放つ。相手GKにブロックされるものの跳ね返ったボールを腰で押し込み、愛媛が先制した。愛媛サポーターや選手たちのご父兄から、歓声や拍手が沸き起こる!

 

(写真:ガンバ大阪ユース陣内。セットプレーの得点チャンス)

 ホームゲームということもあり、“これで流れを引き寄せた”と思ったが、後半に入りG大阪に分厚い攻撃を仕掛けられると連続ゴールを奪われた。1-2で逆転負けを喫してしまった。

 

 続く第3節も接戦ながら東福岡高校に1-2で敗れる。翌週の第4節は、サンフレッチェ広島FCユースに0-2で敗戦。第5節は京都サンガFC U‐18をホームに迎えるものの0-3と完敗。第6節は大津高校に0-1で惜しくも敗れる。第7節ではアビスパ福岡U‐18を相手に2-1とリードで試合を折り返したものの、後半に逆転され2-5で敗戦。この原稿を執筆している第7節終了時点でリーグ戦6連敗を喫し、愛媛は1勝6敗(勝ち点3)でリーグ10位の最下位(※6月29日のヴィッセル神戸U-18戦にも敗れ、1勝7敗)。目標の残留に向けて、とても苦しい状況だ。

 

 毎シーズン、チーム内での連携や戦術の完成度を高めるのに時間を要する愛媛に対し、プレミアリーグクラスのチームは調整が早い。新シーズンを迎え、序盤は手探りな状況ながらも、2カ月を経過する頃にはチームとしての完成度を高め、選手個々も実戦感覚を掴み仕上がりが早いのだ。当たり前だが様々な面での成長スピードで他チームのレベルの高さを感じてしまう。

 

 また、昨年までの「プリンスリーグ四国」とは異なり、敵地への移動距離や移動時間も増え、スケジュールもタイトになった。その上でコンディションを整え、パフォーマンスを発揮しなければならないのだから、慣れも必要なのは確かである。

 

 しかし、その慣れる時間をハイレベルなリーグは待ってはくれない。この「プレミアリーグ」には、チームスタッフや選手たちだけでなく、支援者や私たちも、もっと高い意識を持って臨まなくてはいけない。

 

 ここまで悪い話題ばかりが先行してしまったが、愛媛は四国内でしっかりと結果を残している。

 

(写真:クラブユース・四国大会準決勝。試合後の勝利の挨拶)

 5月25日(土)に行われた「第43回 日本クラブユースサッカー選手権 U‐18大会 四国大会」の決勝戦。愛媛は徳島ヴォルティスユースを下し優勝した。四国代表として7月21日(日)から行われる全国大会への切符を掴んだ。プレミアリーグでの重い雰囲気を払拭するためにも、クラブユース選手権の全国大会で思いっきり暴れて欲しい。

 

 6月初旬には、愛媛FC U‐18保護者会主催で懇親会が開かれた。選手やご父兄、チームスタッフに加え私たちサポーターも参加させていただいた。和やかな会の中でも、現状の戦績に関する真剣な話しや選手を直接支援する立場にあるご父兄の皆さんのお気持ちや家族としてご苦労されていることも伺えた。とても勉強になり、親睦を深める良い機会となった。

 

 家族や指導者、多くの方々に支えられ、先輩たちが築いてきた礎により今季、高校年代最高峰の舞台で戦うことができている。愛媛の選手たちには1試合、1試合を大切し、悔いが残らないように全力を尽くして戦ってもらいたい。

 

 

 

 

 

 

 

<松本 晋司(まつもと しんじ)プロフィール>

1967年5月14日、愛媛県松山市出身。愛媛FCサポーターズクラブ「Laranja Torcida(ラランジャ・トルシーダ)」代表。2000年2月6日発足の初代愛媛FCサポーター組織創設メンバーであり、愛媛FCサポーターズクラブ「ARANCINO(アランチーノ)」元代表。愛媛FC協賛スポンサー企業役員。南宇和高校サッカー部や愛媛FCユースチームの全国区での活躍から石橋智之総監督の志に共感し、愛媛FCが、四国リーグに参戦していた時期より応援・支援活動を始める。


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