18日、東北楽天の星野仙一監督が、今季限りでの退任を表明した。就任3年目の昨季は、球団創設9年目にして初のリーグ優勝、日本一達成に導いた星野監督だが、今季は一転、リーグ最下位と成績不振が続いている。星野監督は5月に持病の腰痛が悪化し、治療に専念するために休養に入ったが、手術も成功し、7月25日に復帰。しかし、チーム状態が上がることはなかった。球団は来季以降の継続を望み強く慰留したが、星野監督の気持ちは変わらなかった。
 三木谷浩史オーナーによれば、初めて星野監督の口から退任の意向を聞いたのは今月初旬だった。「今年は成績はふるっていないが、それにはいろんな要素があり、球団側の努力も足りないと感じていた。だから、来年はぜひ復活して頑張ってほしいと考えていた」と述べ、慰留を続けてきたという。しかし、星野監督の意思はかたかった。

 星野監督自身が、退任を考え始めたのは、2カ月の休養を経て復帰後のことだったようだ。
「入院中、『シーズン中に現場を離れるなんて、こんなことではダメだな』と思った。ただ、報道でファンからの『早く帰ってきてほしい』という言葉を聞き、早く復帰しなければとリハビリを積み重ね、復帰させてもらった。しかし、復帰してからも『こんなことではいけないな』と。その頃から『今季限りで』と決意していた」

 東日本大震災が起きた2011年に楽天の監督に就任した星野監督。1年目は5位、2年目は4位とBクラスからの脱却をはかれなかったが、3年目の昨季はエース田中将大(現ヤンキース)を中心に快進撃を見せてリーグ優勝。さらに、日本シリーズでは巨人を倒し、被災した東北をはじめ、プロ野球ファンを沸かせた。