(写真:決勝進出が決まり、喜びを分かち合う永原<左>と松本)

 27日、バドミントンのBWFワールドツアー「ダイハツ・ヨネックスジャパンオープン2019」各種目準決勝が東京・武蔵野の森総合スポーツブラザで行われた。女子ダブルスは昨年の世界選手権を制した永原和可那&松本麻佑組(北都銀行)がリオデジャネイロ五輪金メダリストの髙橋礼華&松友美佐紀組(日本ユニシス)にストレート勝ち。ジャパンオープン初の決勝進出を果たした。その他の日本戦勢は女子シングルスで奥原希望(太陽ホールディングス)と山口茜(再春館製薬所)が、男子シングルスでは桃田賢斗(NTT東日本)が決勝へ進出。男子ダブルスは園田啓悟&嘉村健士組(トナミ運輸)がインドネシアペアに敗れた。

 

 元世界ランキング1位の日本人ペア対決を制し、ジャパンオープン初制覇へ王手をかけた。昨年の世界選手権優勝ペアで、今最も勢いに乗っている永原&松本ペアがリオ五輪金ペアを撃破した。

 

 永原と松本は第1ゲーム、着々と得点を重ねる。一度も相手にリード許すことなく、18-16から3連続ポイントで先取した。強打で押す永原と松本。いずれも身長170cmを超える長身ペアは第2ゲームも優位に試合を進める。13-9から5連続ポイントで引き離した。最後はタカマツペアに迫られたが、21-19で押し切った。

 

 タカマツペアとの国際大会対戦成績は3勝4敗。目下3連敗中だった。「高橋さんが後ろで松友さんが前というかたちをつくらせてしまうと強いので、そこのかたちをなるべく出させないように展開をしていこうと思っていました」と永原。松本は「レシーブの時は我慢して凌いだ。攻めのチャンスがきたら自分たちの持ち味を出すことを意識しました」と振り返る。相手の得意な型をつくらせず、攻撃ではパワーで押した。

 

 ジャパンオープンはベスト8が最高成績だった。松本は「いつもヨネックスオープンでは自分たちがあまりいい試合ができなくて、自分たちらしさを出せなかった。やっと決勝にこれた。その気持ちを忘れずに明日頑張りたい」と初の決勝へ意気込む。4月末に世界ランキング1位に立ってからは優勝できていない(現在は2位)。永原は「明日は2人で楽しみながら」と語った。

 

(写真:ストレート負けを喫し肩を落とす松友<左>と髙橋)

 多士済々の日本女子ダブルス。福島由紀&廣田彩花組(アメリカンベイプ岐阜)、永原&松本ペア、タカマツペアと世界ランキングは上位3つを独占し、トップ10位内には4組もいる。現在、ライバルの中国を上回る“世界最大派閥”だ。最大2組までが出場権を得られる東京五輪の代表レースは熾烈を極める。髙橋は日本人対決に敗れたものの、悲観はしていない。「先週は決勝まで行って今回はベスト4。まずまずの成績」。ツアーでコンスタントに結果を残していくことが必要になる。

 

「負けたからといって落ち込んでいたら来週も試合がある。勝つこともあれば負けることもある。切り替えが大事。来週タイオープンに向けて気持ちを切り替えたい」。選考レースは2012年ロンドン五輪から経験している。出場すれば連覇のかかる東京五輪へ。経験豊富なタカマツペアは焦らない。

 

(文・写真/杉浦泰介)