マドンナ松山、守り勝つ野球で上位目指す ~伊予銀行杯 第15回全日本女子硬式野球選手権大会~

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(写真:メンバーが大きく入れ替わり、新チームで全国大会に臨むマドンナ松山)

 女子野球の夏が今年もやって来た。高校、大学、社会人の女子硬式野球チームが集う「全日本女子硬式野球選手権大会」が8月10日から15日までの6日間行われる。愛媛県松山市のマドンナスタジアム、坊っちゃんスタジアムを舞台に全国から参加した32チームが日本一を争う。四国初の女子野球チーム・マドンナ松山(愛媛)は1回戦でSEIBI GLITTERS(京都)と対戦する。

 

 

 

 

 今年で節目の15回目を迎える全日本女子硬式野球選手権。第2回から松山で開催されており、地元企業の伊予銀行が大会をスポンサードしてきた。マドンナ松山は第2回大会から毎年出場。最高成績は15年の準優勝だ。

 

 就任7年目の上田禎人監督(元西武)の下、悲願の日本一を目指す。上田監督の不在時には指揮を執る藤岡浩平コーチは松山商、駒澤大、神戸製鋼でプレーした経歴を持つ。4年前はサードコーチャーとして、準優勝に貢献した。今年は守り勝つ野球を目指しているという。

「連打連打で点を取るのはなかなか難しいんです。だから守備のミスをいかに減らせるか。『積極的なエラーは仕方がないから、与えられたポジションを責任持って守ろう』と言い続けています」

 

 現在の女子野球は群雄割拠の様相を呈している。昨年は2回戦でマドンナ松山を破ったハナマウイ(埼玉)が初優勝を収めた。2013年からの5年間の優勝チームも13年の履正社RECTOVENUS(大阪)、14年の尚美学園大学(埼玉)と平成国際大(埼玉)、15年の京都外大西高校(京都)、16年の環太平洋大学(岡山)、17年のアサヒトラストとすべて異なる。

 

 今年のマドンナ松山は大きく選手が入れ替わった。エースの森藤友騎、キャプテンの江嶋あかり、主軸の油谷深幸、キャッチャーの松本知佳が抜けた。代わりに新しく加わったのが池田千沙、越智美咲希選手、花山実紗希の3名。そして竹内亜里香、新歩美、田村優奈、笹木亜可梨の4名がチームに復帰した。

 

 中心選手が抜けた中、チームからの期待を寄せられるのが新エースの花山だ。高校2年の右腕。藤岡コーチは「テンポ、コントロールが良い。まだ高校2年生で体の線は細いでパワーはありませんが、持久力はあります。“投げさせてください”というタイプで連投も厭わない。すごくピッチャー向きな性格です」と評価する。花山に加え、主戦キャッチャーの梶本葵も強肩を生かし、ピッチャーも兼ねる。花山、梶本、坂本加奈との3人体制でピッチャー陣は回していくという。

 

 新戦力の池田は昨年まで伊予銀行ソフトボール部に所属していた。伊予銀行時代は強打が売りの捕手で、マドンナ松山の首脳陣もクリーンアップを打てるバッターだと期待している。藤岡コーチは「実戦でも他の選手とは違う打球を見せてくれる」というバッティングに加え、野球に対する姿勢も買っている。

「彼女は5月の子規杯で敗れた後、敗者復活までの待ち時間にずっと素振りをしていました。そういうストイックさは他の選手に見習ってもらいたい部分ですね」

 

 新キャプテンには渡邊涼子が就いた。「チームのムードメーカー。すごく明るい子で、彼女が元気なら周りも元気になるようなキャラクターです」と藤岡コーチの評。俊足で守備範囲が広い。肩が強いこともあり、今年はセカンドからショートへ転向した。藤岡コーチは「彼女の頑張り次第で勝敗を左右する」と大きな期待を寄せている。

 

 1回戦の相手SEIBI GLITTERSは「正直未知数」(藤岡コーチ)という新興チームだ。江嶋、油谷ら元マドンナ松山の選手も所属しているという。マドンナ松山はここ3年は2回戦敗退が続いている。1戦1戦勝ちにいく姿勢は変わらないが、藤岡コーチは「1試合目が一番大事。地元での大会ですから最低でも2つは勝ちたいですね」と口にする。

 

 とはいえ、勝つことだけがすべてではない。

「選手たちには『打った、走った、投げた試合に勝つだけではなく、見ている人が“マドンナすごいな”と今後も応援したくなるような全力プレーをやろうよ』と言い続けています。攻守交代時の態度やグラウンドでの挨拶や声掛けに関しては、いい加減なことは許しません。そこは厳しく指導しています」(藤岡コーチ)

 

 全力プレーがマドンナ松山の持ち味だ。それは選手が入れ替わり、プレースタイルが変わろうと同じである。以下は藤岡コーチの証言だ。

「マドンナの伝統なのかもしれませんが、選手が変わっても雰囲気は変わらない。2015年の準優勝時は実力だけではなく勢いで勝っていった分もありました。個々の能力以上のものが試合で発揮される。不思議な特徴があるんです」

 

 今年も夏の松山を舞台に、マドンナたちの全力で戦う姿が見られそうだ。

 

(写真提供:女子硬式野球 マドンナ松山)

 

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