26日、韓国・仁川でのアジア競技大会は競泳最終日が行われ、日本は女子200メートル背泳ぎ・赤瀬紗也香(日本体育大)の金メダルを含む計7個のメダルを獲得した。今大会は計45(金12、銀20、銅13)個で前回大会(39)を上回るメダルを手にした。バドミントンの女子ダブルス準決勝は、高橋礼華&松友美佐紀組(日本ユニシス)がマレーシアペアをストレートで下した。BWF世界ランキング3位の高橋&松友は同種目日本勢として1970年タイ・バンコク大会の相沢マチ子&竹中悦子組以来44年ぶりの決勝進出。決勝はBWF世界ランキング10位のインドネシアペアと対戦する。
 最終日もメダルラッシュで締めた。6種目で7個のメダルを獲得。女子50メートル自由形決勝では、自由形短距離の新エース・内田美希(東洋大)が銀メダルを手にした。男子1500メートル自由形は山本耕平(ミズノ)が孫楊(中国)に敗れたが、朴泰桓(韓国)には先着し、2位に入った。女子200メートル決勝は赤瀬が70メートルあたりで先頭に立ち、2分10秒31で逃げ切った。

 女子200メートル個人メドレー決勝では渡部香生子(JSS立石)が、ロンドン五輪同種目金メダリストの葉詩文(中国)には敵わず銀メダル。3位にも日本の寺村美穂(セントラルスポーツ)が入った。渡部はバタフライと背泳ぎの前半では6番手と出遅れたが、得意の平泳ぎで3番手まで上げた。ラスト50メートルの自由形では、大会新記録の葉には届かなかったが、寺村をかわし2位でフィニッシュ。2分10秒58で自らが持つ日本記録を更新した。

 競泳のフィナーレとなった男子400メドレーリレーでは入江陵介(イトマン東進)、小関也朱篤(ミキハウス)、池端宏文(法政大)、塩浦慎理(イトマン東進)と今大会各種目のメダリストを並べた日本だったが、中国に逆転負けを喫し、銀メダルだった。

 惨敗に終わった中国・広州大会を上回る45個のメダルを獲得したトビウオジャパン。萩野の4冠、入江の背泳ぎ2冠など期待通りの結果を残した者もいたが、平泳ぎのホープ・小関は個人3種目で無冠。男子の金メダル9個に対し、女子は4個と国内でも明暗が分かれたかたちとなった。

 主な日本人の決勝結果は次の通り。

<男子50メートル平泳ぎ・決勝>
2位 小関也朱篤(ミキハウス) 27秒89

<男子1500メートル自由形・決勝>
2位 山本耕平(ミズノ) 14分54秒86

<男子400メートルメドレーリレー・決勝>
2位 日本(入江、小関、池端、塩浦) 3分31秒70

<女子50メートル自由形・決勝>
2位 内田美希(東洋大) 25秒11

<女子200メートル背泳ぎ・決勝>
1位 赤瀬紗也香(日本体育大) 2分10秒31

<女子200メートル個人メドレー・決勝>
2位 渡部香生子(JSS立石) 2分10秒58 ※日本新
3位 寺村美穂(セントラルスポーツ) 2分11秒24

【アジアの頂点まで、あとひとつ 〜バドミントン女子〜】

 第1シードの名に恥じぬ、決勝進出だ。世界ランキングのトップ2が出場をしていないため、高橋&松友が優勝候補の筆頭だった。初戦はファイナルゲームまでもつれたものの、メダル獲得を決めた準々決勝は危なげなくストレート勝ち。徐々に勢いに乗ってきた感がある。準決勝では世界ランキング19位のマレーシアペアを一蹴した。前衛で巧みなラケッドワークを松友が見せれば、後衛で高橋が強烈なスマッシュや相手の虚を突くドロップショットを決める。第1ゲームを中盤の連続得点を奪うなど21−16で取ると、第2ゲームも21−17でモノにした。同種目の日本人としては44年ぶりの快挙。決勝の対戦相手のグレーシア・ポリー&ニーチャ・クリシンダ・マヘスワリ組は今大会の団体戦でも勝利している。アジアの頂点も見えてきた。今年は五輪、世界選手権に次ぐグレードのBWFスーパーシリーズを初制覇したタカマツペア。またひとつ大きな勲章を手に入れる。 

【なでしこ、香港に9発大勝 ベスト4進出 〜サッカー女子〜】

 サッカー女子の準々決勝では、B組首位の日本女子代表(なでしこジャパン)がC組3位の香港女子代表を9−0で下し、準決勝進出を決めた。試合は早々に動いた。前半3分、FW増矢理花がゴール前でこぼれたボールを押し込んで先制。10分に相手のオウンゴールでリードを広げると、13分にはMF中島依美がFKを直接決めた。さらに26分、増矢がこの日2点目を挙げ、なでしこは前半だけで4点のリードを奪った。後半も攻勢を弱めることなく3分にDF岩清水梓、15分にMF木龍七瀬、21分にFW高瀬愛実、31分にFW菅澤優衣香がゴール。35分には再び木龍が決めてゴールラッシュを締めくくった。なでしこは29日、準決勝でベトナム女子代表と対戦する。

 圧勝、香港をシュート数ゼロに抑える(華城)
日本女子代表 9−0 香港女子代表
【得点】
[日本] 増矢理花(3分、26分)、オウンゴール(10分)、中島依美(13分)、岩清水梓(48分)、木龍七瀬(60分、80分)、高瀬愛実(66分)、菅澤優衣香(76分)