(写真:北京五輪代表左腕のオスターマンには前日に続き無得点に抑えられた)

 1日、JAPAN CUP国際女子ソフトボール大会最終日が群馬・高崎市ソフトボール場で行われた。日本代表は決勝でアメリカ代表と対戦し、2-3で敗れた。アメリカは2大会連続9度目の優勝。3位決定戦はチャイニーズ・タイペイ代表がチェコ代表を1-0で破った。大会最優秀選手賞はアメリカのバレリエ・アリオト、優秀選手賞は日本の山本優が受賞した。

 

 上野、リリーフで3日連続登板(高崎市ソフトボール場)
アメリカ 3 = 3000000

日本   2 = 0200000
勝利投手 アボット(1勝0敗)
敗戦投手 尾﨑(0勝1敗)
本塁打 (ア)アリオト3ラン
    (日)山崎2ラン

 

 決勝は宿命のライバルと対戦した。予選リーグは日本が2位、アメリカが1位。前日デーゲームの直接対決ではアメリカに2ー8で敗れていた。

 

(写真:多彩な変化球を駆使した尾﨑だが、4四死球と制球に苦しんだ)

 日本の先発マウンドには尾﨑望良が昨夜のチャイニーズ・タイペイ戦に続き上がった。宇津木麗華ヘッドコーチ(HC)が「上野由岐子と藤田倭以外でアメリカと勝負できるピッチャー」と期待を寄せる投手陣唯一のサウスポーだ。

 

 所属チームの太陽誘電ソルフィーユでは藤田と共に投打の二刀流として活躍しているが、代表では投手に専念。チャイニーズ・タイペイ戦では5回無失点と好投したが、アメリカ打線は初回から牙を剥いてきた。

 

 フォアボールとヒットで溜めたランナーをアリオトの一発で還された。内角低めのチェンジアップでタイミングは崩したかに思えたが、落ち切らずレフトスタンドに運ばれた。

 

 先制を許した日本は、その裏、アメリカの先発モニカ・アボットに三者凡退に切って取られた。トヨタ自動車レッドテリアーズの長身サウスポーが繰り出す剛速球を前に打球を外野に飛ばすことすらできなかった。

 

(写真:甘く入ったアボットのライズボールを逃さなかった山崎)

 それでも日本が誇るクリーンアップがアメリカのエースに襲いかかる。2回裏、4番の山本がショートへの内野安打で塁に出る。5番の山崎早紀がセンターへ大きな当たりを放った。「打った瞬間、フェンスは越えるなと思った」。同僚のアボットに追撃弾をお見舞いした。

 

 その後は両チームゼロ行進が続く。日本は3回裏に川畑瞳のツーベースで得点圏のチャンスを作るが、原田のどかはバント失敗。江口未来子、山田恵里はランナーを還すことができなかった。5回裏は2死二塁のチャンスで代打・森さやかがレフトフライ。次の1点が遠い。

 

(写真:骨折から復帰した上野。宇津木HCは「万が一があってはいけない」と起用は慎重だった)

 7回表には、4月に負傷し、今大会が実戦復帰となった上野が3日連続の登板。1回を無失点に抑え、日本の反撃を待ったものの、内藤美穂、代打・洲鎌夏子、再出場の我妻悠香が6回から登板のキャット・オスターマンに抑えられ、ゲームセット。

 

 宇津木HCは課題を「バッテリーの相性」に挙げる。正捕手の我妻に対し、上野と藤田以外のピッチャー陣との相性だ。3日間ですべてのピッチャーと組ませた。今大会では解消することはできなかったが、「原因はわかっている」と語った。

 

(写真:初回先頭打者に四球を出したバッテリーに苦笑いの宇津木HC)

「とにかく来年勝ちたい。これからの1日1日、1分1秒を繋げていきたい」と宇津木HC。日本の選手たちは所属チームに戻り、日本リーグ、全日本総合選手権大会、国民体育大会と試合が続く。

 

(文・写真/杉浦泰介)