27日、男子プロバスケットボール「B.LEAGUE」2019-20シーズンのティップオフカンファレンスが東京ドームホテルで開催された。大河正明チェアマンのほか、同日にプレシーズンゲームを行う琉球ゴールデンキングスを除くB1リーグに所属する17チームの代表者が出席。昨季MVPの富樫勇樹(千葉ジェッツふなばし)、W杯日本代表の田中大貴(アルバルク東京)らがリーグ4シーズン目に向けた抱負を語った。

 

 1億円プレーヤー誕生、NBAドラフト1巡目指名、そして13年ぶりのW杯。日本バスケットボール界は、平成から令和に年号を変えてからホットな話題が続いている。そんな上昇気流の中、B.LEAGUEは4シーズン目を迎える。

 

 大河チェアマンは「NEW NESS」をテーマに掲げ、「昭和の野球、平成のサッカー、令和のバスケットボールとなれるように」と高らかに宣言した。そのための「業界のエンジン」(大河チェアマン)となるのがB.LEAGUEだ。

 

 今シーズンの先出し開幕戦は『B1“THE ”GAME』と銘打たれた。川崎ブレイブサンダースと宇都宮ブレックスが他に先立ち、10月3日に神奈川・横浜アリーナで行われる。B.LEAGUEも過去最多の照明機材を投入し、演出に力を入れる。

 

 両チームはリーグ初代王者を争い、昨シーズンはチャンピオンシップクォーターファイナルで対戦した。HCが変わり、新戦力が加わった川崎に対し、宇都宮は昨シーズンからほぼ同じロースターだ。

 

 チームを代表し、ティップオフカンファレンスに出席したのは背番号0の司令塔だ。川崎は藤井祐眞、宇都宮は田臥勇太。藤井が「バスケが盛り上がる年。非常にワクワクしている」と口にすれば、田臥も「日本代表が世界に挑むために頑張っている。女子もB.LEAGUEも日本のバスケが一丸となって盛り上げていきたい」と意気込んだ。

 

 3連覇のかかるA東京は、この日発表されたW杯日本代表に田中、馬場雄大、安藤聖哉、竹内譲次が選出された。チームを代表してカンファレンスに登檀した田中は「HCをはじめ残ったメンバーを信頼している。自分はやるべきことに集中し、W杯終わったら合流して成長していければいい。いい意味で割り切っています」と述べた。

 

 ルカ・パヴィチェビッチHCがハードワークを求めることに変わりはない。「日頃からハードワークすることがアルバルクのスタイル。またイチから新しいチャンピオンシップを獲得するために、シーズンを通して成長していきたいら、最後にユニフォームの星を増やすことができたら最高かなと思います」(田中)

 

 日本人初の1億円プレーヤーとなった富樫は周囲の反響は大きくなかったという。「その後ら八村(塁)という選手がテレビを独占したので誰も覚えていないと思う」と、NBAドラフト1巡目指名された後輩の名前を挙げ、報道陣を笑わせた。

 

 自身は7月下旬に負ったケガの影響により、W杯出場は逃したが手術を終えてリハビリに励んでいるという。「オリンピックに向けた最大のアピールの場はB.LEAGUE」。2季連続準Vの千葉の司令塔は初のリーグチャンピオンに照準を合わせる。

 

(文・写真/杉浦泰介)