8日、FIG世界体操競技選手権の女子団体総合決勝が中国・南寧で行われ、日本は165.422点で8位だった。2011年の東京大会からは順位をひとつ下げたかたちとなった。優勝は米国が179.280点と、2位に6点以上の差をつける圧勝で連覇を達成した。予選6位の日本は笹田夏実(日本体育大)、寺本明日香(中京大)、美濃部ゆう(朝日生命)、村上茉愛(池谷幸雄体操倶楽部)、井上和佳奈(筑波大)、石倉あづみ(ZERO体操クラブ)のメンバーで決勝の舞台に臨んだ。4種目中3種目が全体7位と得点が伸びず、決勝出場チームで最下位に終わった。
 13.858点――。これが連覇を達成した日本との得点差だ。1種目で1人が獲得する得点に近い数字である。それほど世界トップとの差は大きかった。金メダルの米国は昨年の世界選手権個人総合金メダリストのシモーネ・バイルズを中心に3種目で全体トップと他を圧倒した。特に跳馬とゆかは2位と2点以上の差をつける独走ぶり。一方の日本はゆかが全体5位。それ以外の3種目は7位と低調だった。

 日本の第1ローテーションは平均台から始まった。トップバッターはキャプテンの美濃部。北京、ロンドンと五輪を2大会経験しており、世界選手権も今回が3回目と経験も豊富だ。「一番、落ち着いてできた」とミスのない演技で14.100点とまとめた。美濃部に続くのは、19歳のWエース笹田と寺本だ。まずは笹田が演技を実施した。今年は個人総合2冠と好調の笹田は、13.900で続いた。しかし寺本は後方開脚宙で台から落下。12.866点で、第1ローテーション終了時点で7位スタートとなった。

 次のゆかでは、スペシャリストである村上がG難度の大技シリバス(後方抱え込み2回宙返り2回ひねり)に成功するなど3人合計で40.266点を加点したが、7位と変わらず。跳馬では43.166点で7位をキープするにとどまり、段違い平行棒では41.124点とし、最終順位はひとつ下げて8位となった。

 近年は決勝常連となってきている日本だが、Dスコア(難度点)でまだまだ他国と開きがあり、上位との差は大きいと感じさせられた。ただ今回、初代表は2人、これまで中心選手として日本を支えてきた田中理恵、鶴見虹子もいない。新しい選手たちで大舞台を経験できたことは、来年の世界選手権(イギリス・グラスゴー)に向けて、いい肥料としたい。

 中でもリーダーとして期待される寺本は、試合後のインタビューで「自分の役割を果たせなかった」と悔やんだ。ロンドン五輪では4種目に出場し、3種目で14点台を出すなど抜群の安定感を見せた彼女だが、今回は悔し涙を流す結果となった。この経験は真のエースへの分岐点となるか。

<女子団体総合決勝>
1位 米国 179.280点
2位 中国 172.587点
3位 ロシア 171.462点
8位 日本 165.422点