日本ラグビー協会は14日、11月1日(兵庫・神戸)、8日(東京・秩父宮)に行われるマオリ・オールブラックス戦と、同9日からの欧州遠征に臨む日本代表メンバー30名(FW17名、BK13名)を発表した。この5月に日本代表最多キャップ記録を更新したLO大野均、主将のFLリーチ・マイケル(ともに東芝)、FB五郎丸歩(ヤマハ発動機)らが順当に選ばれたほか、PR垣永真之介(サントリー)、トンガ出身のNo.8アマナキ・レレイ・マフィ(NTTコミュニケーションズ)、ニュージーランド生まれのWTB・CTBカーン・ヘスケス(宗像サニックス)が初招集された。協会内で会見したエディー・ジョーンズヘッドコーチ(HC)は「日本ラグビーの新たな歴史をつくりたい。これまでにない成功を収めるチーム、一番強いチームをつくるチャンス」と、残り1年を切ったイングランドW杯を見据えた人選に自信をのぞかせた。
 テストマッチ10連勝中のエディー・ジャパンだが、その原動力となった8選手が今回のマホリ・オールブラックス戦と欧州遠征には参加できない。まず、SH田中史朗(パナソニック)は各国の有力選手で更新されるバーバリアンズに選出され、11月の英国遠征でオーストラリア代表などと対戦する。その他、NO8ホラニ龍コリニアシ(パナソニック)、WTB福岡堅樹(筑波大)、HO堀江翔太(パナソニック)らはケガのために離脱。W杯でチーム力を高めていく上で、主力の不在は痛いが、ジョーンズHCは「これまで(試合出場の)23名に入っていない選手にはチャンス」とチーム内での競争を促し、底上げを図る方針だ。

 W杯の初戦までは、あと11カ月。予選プールで初戦に当たる南アフリカ代表は先のラグビーチャンピオンシップで、IRBランキング1位のニュージーランド代表を撃破した。そんな強敵と立ち向かい、本番で勝つために、ジョーンズHCは「鉄腕アトムみたいな存在が必要」と選手たちに要求した。
「必要なのは勇気。ピンチになった時に、足にロケットをつけて飛び立つような選手になってほしい。鉄腕アトムのマークをユニホームに入れた方がいいかも(笑)」
 本番までの貴重な実戦機会を生かし、“100万馬力”を手に入れて世界を驚かせる。