17日、ラグビーW杯日本大会組織委員会は東京都内で、開幕前公式記者会見を開いた。会見に出席した組織委の御手洗冨士夫会長は「万全の準備ができ上がりました」と語れば、ワールドラグビー(WR)のビル・ボーモント会長は「ラグビーの転機となる大会」と大きな期待を寄せた。大会は20日に開幕。11月2日までの44日間で全48試合を行う。

 

「ついに時が来ました。今回は特別な、ラグビーの転機となる大会です。世界の普及に資するものとなります。これほど待ちわびたW杯が過去にあったでしょうか。ラグビーの素晴らしい部分を皆さんに、日本の素晴らしい部分も楽しんでいただけるでしょう」
 4年に1度の祭典、ラグビーW杯開幕を3日後に控え、イングランド代表の元主将であるWRのボーモント会長は大会の成功に自信を窺わせる。

 

 続いて組織委の御手洗会長もこう胸を張る。
「開催が決まった2009年から、足かけ10年。組織委員会はW杯にふさわしい会場を設置するため。各方面の協力を得て、全力でやってまいりました。おかげさまで試行錯誤を繰り返し、万全の準備ができ上がりました」

 

 組織委によれば試合チケットの売上枚数は95%に達する見通しだという。
「組織委員会の大きな目標は48試合すべての会場が満員になること。それが実現可能になりそうな勢いです」(御手洗会長)

 

 1987年にスタートしたW杯。第9回となる今大会をWRのボーモント会長が「転機となる大会」と評するのはアジア初の開催だからだろう。組織委の御手洗会長も「44億人が住むアジア全体に広がり、ラグビーが世界的スポーツとなることを願っています。この大会は将来に向け、扉を開く役割がある。それがひとつのミッションであると考えています」と意気込む。

 

「今大会はラグビーが真のグローバルスポーツとしてアジアに拡大し、切り拓いていく記念すべき大会です。次世代のラグビープレーヤーに輝かしい未来を示し、希望を与えることを確信しております」
 そう語るのは日本ラグビーフットボール協会の森重隆会長だ。

 

 北は北海道、南は九州に渡り、全国12都市で48試合が行われる。史上初のベスト8進出を目指すジャパンや3連覇が懸かるニュージーランド、そのほか世界の強豪チームがしのぎを削る。開幕は9月20日、東京で約1カ月半の熱狂がスタートする。

 

(文・写真/杉浦泰介)