17日、プロ野球パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第3戦がヤフオクドームで行なわれ、北海道日本ハムが大勝して、対戦成績を2勝2敗(ソフトバンクのアドバンテージ1勝含む)のタイに持ち込んだ。日本ハムは初回に2本のホームランで4点を先行すると、2回には陽岱鋼の2打席連続の3ランで突き放す。その後も6回に中田の4試合連続となる一発が飛び出すなど12安打12得点で福岡ソフトバンクを圧倒した。

◇ファイナルステージ第3戦
 中田、CS初の4戦連発(日本ハム2勝2敗、ヤフオクドーム)
北海道日本ハム     12 = 430014000
福岡ソフトバンク      4 = 100020001
勝利投手 吉川(1勝0敗)
敗戦投手 攝津(0勝1敗)
本塁打  (日)陽1号ソロ、2号3ラン、小谷野1号3ラン、中田3号3ラン
       (ソ)内川2号2ラン
 まだ星は五分とはいえ、日本ハムには弾みのつく1勝だ。
 先発はソフトバンクが攝津正、日本ハムが吉川光夫。一昨季の沢村賞投手とMVPの対決は初回からスコアが動く。

 攝津は簡単に2死を取った後、打席に迎えたのは3番・陽岱鋼。ここまでCSでは21打数2安打と打率は1割を切っていた。しかし、1ボールからの2球目、外角の直球をとらえると打球はライトスタンドへ。「ずっと打てなくて泣きそうだった」と不振をかこっていた主力の一撃で日本ハム打線が覚醒する。

 中田翔、大谷翔平と連打で続くと、5番・小谷野栄一は変化球をうまくすくいあげて、左中間スタンドへ運ぶ。3ランで4−0。日本ハムが初回から一気に点差を広げた。

 一方の吉川も立ち上がりはピリッとしなかった。先頭の柳田悠岐の一塁ゴロへのベースカバーが遅れ、内野安打で出塁を許すと、2死後、4番の李大浩にタイムリーを打たれて1点を返される。その後も2死満塁のピンチを背負うが、吉村裕基をサードゴロに打ち取って、何とか最少失点にとどめた。

 それよりも悪すぎたのが攝津だ。2回も2死からヒットとエラーで走者が溜まると、打席には初回に先制ソロを放っている陽。「1本出て気持ちもラクになった」という右打者がストレートにバットを振り抜くと、打球はグングン伸びてセンターバックスクリーンに飛び込む。はね返ったボールがグラウンド内に戻ってきたため、ビデオ判定となったが、結果は3ラン。7−1と大差がつき、攝津はこの回限りでKOとなった。

 こうなると試合は完全に日本ハムペースだ。5回には近藤健介のタイムリーで1点を追加。2点を返された後の6回には1死一、三塁の好機に、またも陽がレフトに弾き返し、三塁走者を迎え入れる。そして、とどめを刺したのが主砲の一発。4番・中田が2番手・東浜巨のストレートをとらえると、打球はレフトスタンド中段に突き刺さる。3ランで12−3。中田はCS史上初の4試合連続ホームランを記録した。

 ソフトバンクは9回に武田勝から4安打を集中して1点を返したものの、序盤の大量失点が響いた。ただ、投手陣は2番手の東浜が最後まで投げ切り、ブルペンを休ませることはできた。打線も中軸の内川聖一が2試合連続のホームラン、李が猛打賞と当たっている。2番の今宮健太、6番の中村晃にもシリーズ初ヒットが出たのも敗戦の中の光明だ。

 第4戦はソフトバンクが中田賢一、日本ハムは木佐貫洋の予告先発が発表された。中田は今季、対日本ハムは3試合に先発して勝敗なしの防御率3.20、木佐貫は2試合で0勝1敗、防御率3.09だ。日本ハムの栗山英樹監督は残り試合、大谷を野手ではなく投手として起用することを示唆した。先発か、それともリリーフか。使いどころも含めてポイントとなりそうだ。