四国アイランドリーグplusはレギュラーシーズンが終わりました。香川オリーブガイナーズ、最後まで全力で戦いましたが惜しくもあと一歩及ばず……。非常に悔しいシーズンでした。そんな中、最後まで応援してくださったファンの皆さんには大変感謝しています。今年1年、応援ありがとうございました。

 

 ドラフトへラストアピール

 さて、予定では後期優勝を果たし、チャンピオンシップにも勝ち、そしてアイランドリーグ代表としてBCリーグとのグランドチャンピオンシップに向けての抱負を述べているつもりでしたが、後期優勝を果たせず、景気の良い話はひとつもありません(笑)。まあ、それは冗談ですけど、あと1勝という優勝争いの中で、本当に1勝をあげること、そして1点をとることの難しさを選手たちは感じたことでしょう。

 

 優勝争いという重圧もあったでしょうが、それはスポーツならば当たり前です。その中でひとつのフォアボール、ひとつのミスが失点につながる怖さ。逆に言えば、相手のフォアボールやミスをどう得点につなげるか。そこで取った方と、取れなかった方で結果がまるっきり逆になる。それが野球の怖さです。

 

 シーズン終盤には北米リーグに派遣されていた妹尾克哉が戻ってきました。向こうで足を負傷していましたが、それでも残り試合に出場し、チームのために働いてくれました。妹尾がいない間は嶋村悠斗が埋めてくれていましたし、今さらタラレバを言っても仕方ありません。選手たちは今季、最後まで本当によくやってくれました。

 

 今月はNPBのドラフト会議があります。BCリーグにチームが増え、独立リーグ全体で選手がバラけているのが現状です。アイランドリーグでは一昨年、香川の11年連続ドラフト指名が途切れ、最近は伊藤翔(埼玉西武)を輩出した徳島インディゴソックスがドラフトを賑わせています。徳島には今年も楽しみな選手がいるので、連続指名を継続してほしいですね。香川では妹尾、そして三好一生ら、ラストチャンスと思って今季、頑張ってきた選手に夢を叶えてもらいたいと思っています。

 

 2008年、香川から東京ヤクルトにドラフト6位で入った三輪正義も今季限りで引退です。角中勝也(千葉ロッテ)、又吉克樹(中日)といった一線級で活躍する選手がまたアイランドリーグから現れてほしいですね。そのためにもアイランドリーグの選手はドラフト前のフェニックスリーグがラストアピールの場です。ひとりでも多くの選手が夢をつかんでもらいたい。可能性のある選手がひとりでも多く指名されることを祈っています。

 

 NPBでは各チーム、功労者であるベテランの引退のニュースが続いています。巨人の阿部慎之助などはいい形で送り出されていますし、まだまだ現役にこだわっている選手もいます。辞める、辞めないは選手個々のことなので、自身が納得できる形でやればいいんですよ。

 

 以前、村田修一(現巨人二軍打撃兼内野守備コーチ)が移籍先を探していたとき、私も「香川に来てくれないか」とオファーしました。彼のようなベテランがチームにいると、独立リーグの選手はとても勉強になるんです。香川で野球に取り組む姿勢やひたむきにプレーする姿を見せてほしかった。今季、栃木ゴールデンブレーブスでプレーした西岡剛もそうですが、彼らは言葉じゃなくその姿で何かを伝えられる存在なんです。いわば動く教科書ですよ。独立リーグの若手にとっては願ってもない状況ですが、まあ当人たちは常に見られているからやりにくかったと思いますけどね(笑)。

 

 先月もお話しましたが野球界においてはNPBは順調に観客動員数を伸ばしていますが、いろいろと課題はあります。いつも言っていることですが、子供たちに野球を教えるアマチュアの指導者に、いい人材が増えてほしいですね。小学校、中学校の野球は組織をいろいろとあって難しい面もあるでしょうが、野球の将来のためにもいい指導者はマストです。

 

 オリーブガイナーズも球団創立当初から「野球振興」と「地域貢献」を理念とし、県内の子供たちを相手に野球教室などを開いています。選手たちの中に、なかなか教え上手な人間がいたりして、それも新鮮な発見です。プレーしているとき以上に「お、やるやないか」という感じですよ。アイランドリーグを卒業したあと、アマチュアの指導者に進む選手が出てきてもいいんじゃないですかね。地域のため、野球のために貢献してほしいものです。

 

 さて、最後に。13年間、香川オリーブガイナーズの監督を務めてまいりましたが、今季限りで退任することとなりました。監督在任中はスポンサーの皆様、ファンの皆様、アイランドリーグ関係者、ガイナーズのコーチ、選手など本当に多くの方々に支えていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。まだ17日にはNBPドラフト会議も控えています。最後まで精一杯、選手のために球団と協力してまいります。これからも香川オリーブガイナーズへの応援をよろしくお願いいたします。

 

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