(写真:「いつか選手にも会ってみたい」と語る葵)

 BS11で新たなスポーツドキュメンタリー番組がスタートする。番組名は『キラボシ!』。学生アスリート・チームに密着し、<一生に一度の舞台>(番組HP)に向けて奮闘する日々を特集する。初回放送は10月8日(火)23 時オンエア。NHKの連続テレビ小説『わろてんか』のヒロインなどを演じた女優の葵わかながナレーターを務める。初回以降も毎週火曜日23時に放送する。

 

 初回放送は日本体育大学女子陸上競技部を特集する。同大はオリンピックの女子マラソンで2個のメダルを獲得した有森裕子らがOGにいる。様々な競技で数々のオリンピアンや世界選手権代表を輩出してきた名門だ。日本学生陸上競技対校選手権大会(日本インカレ)で女子4×400mリレーに出場した4年の湯淺佳那子と広沢真愛。“最後の夏”に迫った。

 

(写真:初回放送の日体大女子陸上部。日本インカレでマイルリレーに臨んだ2人を追った ⓒBS11)

 番組ナレーターの葵は21歳。取り上げられる学生アスリートたちとほぼ同世代だ。初回収録を終えた後、こう語った。

「ジャンルは違いますがひとつのことに対し、普通の生活を犠牲にしなければいけない部分が多い。一生懸命に取り組んでいるさまはカッコいいなと思います。私がいるのはスポーツの世界ではないですが、すごく共感することもあります。その戦いの中で涙している姿を見ると、胸を掴まれるような感覚がありました」

 

 そして、こう続けた。

「学生スポーツをリアルに追ったドキュメンタリー。今後、ものすごく活躍され、オリンピックなど、その先もスポーツを続けていく学生さんもいれば、大学4年間で競技から引退する学生さんもいる。引退するからこそ最後の大会にかける想いや仲間に対する想いがすごく画面を通して伝わってきます。日常の中で過ぎていってしまうかもしれないドラマをこの番組が取り上げているので、より観ている方に共感してもらえるような内容になっていると感じました」

 

(写真:「身体を動かすのが好き」という葵。バレーボール部に所属したこともある)

 番組プロデューサーを務める小林都仁氏はナレーターに葵をキャスティングした理由について、こう述べた。

「大きく分けてふたつあります。ひとつは声。透明感がありながら、強い意志を感じる。我々がスポーツドキュンタリーとして学生を扱う上で大事なポイントでした。もうひとつは葵さんが小学5年から芸能界に入られ、ここまでの女優さんとしての位置に辿り着くまで我々の想像につかないような困難があったと思います。番組をつくる上でスポーツをしている人だけに向けているものではありません。スポーツ経験者やスポーツ好きじゃない、違うフィールドで目標に向かっている人にも観ていただきたい」

 

 では『キラボシ!』の最大のセールスポイントは何か。小林プロデューサーは、こう力説する。

「学生アスリートに特化したスポーツドキュメンタリーです。我々がこだわったのは最後の舞台に挑む学生たちを取材しています。学生生活は高校3年、大学4年間ですが、勝負は一瞬。そこにかける姿にはドラマがある。学生アスリートの笑顔、汗、涙を“キラボシ”に喩えて番組で伝えていきたいです」

 

 これまで柔道、eスポーツなどで活躍する学生アスリートを取り上げてきたBS11。今後も“キラボシ”の如く輝く学生たちの懸命で真摯な姿にスポットライトを当て続ける。誰にも青春はある。苦い青春もあれば、甘い青春もある。ひとつ言えるのは、青春に貴賎はないということだ。番組のスタートが待ち遠しい。


◎バックナンバーはこちらから