29日、Jリーグはガイナーレ鳥取(J3)が9月29日に交付された停止条件付J2クラブライセンスの停止条件を充足し、同ライセンス付与の効力が発生したことを発表した。鳥取は資金繰りの不安を問題視され、停止条件を解除するには数千万円規模の増資が必要とされていた。停止条件充足の期限は10月30日であったが、29日までに増資等の目途が立ったことで、前倒しでのライセンス交付となった。鳥取の塚野真樹代表はクラブ公式リリースを通じて「財務管理体制及び財務基盤の更なる強化に全力を注ぐ」とのコメントを発表した。
 鳥取の停止条件充足については松尾裕Jリーグ管理統括本部長兼クラブライセンスマネージャーが「企業を含む地元からの支援」があったことを明かした。これにより、今期及び来期における資金繰りの不安が解消されたと見られる。

 ただ目先の運転資金には目途がついたが、来季のスポンサー状況によっては再び経営がぐらつく可能性もある。松尾氏は「リーグが今後も鳥取と連携を密にとり、見守っていくことは変わらない」と継続して経営へのアドバイスや相談に乗る方針であると述べた。

 鳥取のJ2ライセンス取得により、J1・J2ライセンスを申請した全44クラブにライセンスが交付されたことになる。松尾氏は、申請全クラブのライセンス取得を受けて「やっとスタートライン」との見解を述べ、次のように続けた。

「(ライセンス取得後の)これから先が重要。我々としては今後もクラブ経営の健全性をバックアップしていきたい」

 松尾氏がこう語ったように、ライセンス制度の目的はクラブ経営の健全化にある。J1またはJ2で戦うために必要な“免許”という認識が強いクラブは、今後も経営を安定させることは難しいだろう。各クラブにはライセンス取得のためではなく、クラブを永続的に発展させていくための経営が求められている。