1日、日本バドミントン協会は都内で会見を行い、「第68回全日本総合バドミントン選手権大会」に出場する昨年度の優勝者が出席した。男子シングルスでは史上最多の6連覇を達成した田児賢一(NTT東日本)が、更なる記録の更新を狙う。会見では「絶対負けてはいけない立場にいる」と王者の気概を覗かせた。バドミントンの日本一を決める大会は、明日2日から全5種目の予選が行われ、3日から本選がスタートする。
 世界のトッププレーヤーが、代々木第二体育館に集結する。近年、国際大会での活躍が目立つ日本バドミントン界。今年5月には男子がトマス杯を制し、団体世界一に輝いた。一方の女子は33年ぶりにユーバー杯準優勝。8月の世界選手権では2種目で銅メダル、9月のアジア競技大会では2つの銀メダルを獲得した。

 男子のエースとして、これまで日本を引っ張ってきた田児。昨年は前人未踏の6連覇を達成した。会見でどういうプレーを見せたいか、と問われると「負けないプレー」と答えた。「絶対に負けてはいけない立場にいる。そういったなかで(勝てる)パーセンテージを上げられるかでプレーも変わってくる。海外での試合より、国内の方がお客さんとしては面白くないかもしれない。試合に出たら勝つところを見て欲しい」。BWF世界ランキングは現在6位だが、スーパーシリーズなど大きな国際大会でのタイトルには届いていない。「自分は世界に目を向けてやっている」と7度目の日本一は通過点ととらえているようだ。

 王者を止めるのは誰なのか。その筆頭に挙げられるのが、所属チームの後輩の桃田賢斗である。トマス杯では5戦全勝と優勝に貢献。3年連続で王者に敗れてはいるが、昨年の優勝後の会見で田児は「僕が出なかったら彼が優勝していたと思う。自分の役割を果たせると思うし、果たさなくてはいけない」と期待を寄せている。今回は組み合わせにより当たるとすれば決勝戦。20歳のホープが“王者超え”で初の日本一を掴みたい。

 さらに男子シングルスでは、注目の選手が2日の予選に登場する。史上最年少出場の13歳・奈良岡功大(青森・浪岡中)だ。今年の全国中学校バドミントン大会を制し、全日本ジュニア選手権でもベスト4に入った。田児は「中学生が全日本ジュニアでベスト4というのは、僕たちの世界では有り得ない。2、3歳上とやって結果を残せてるのは脅威」と舌を巻く。本人は「本戦の1回戦で勝ちたい」と今大会の目標を置く。そのためには予選で実業団所属の選手に連勝しなければならない。スーパー中学生はどこまでいけるか。

【全日本総合選手権大会】

・2日(火) 9時〜 予選
・3日(水) 10時〜 1回戦
・4日(木) 10時〜 2回戦
・5日(金) 12時〜 3回戦
・6日(土) 12時〜 準決勝
・7日(日) 10時〜 決勝

※会場はすべて代々木第二体育館

(文・写真/杉浦泰介)