リオ、そして東京へ向けての強化方針発表 〜日本陸連強化委員会〜
4日、日本陸上競技連盟は新強化委員会の強化方針を発表した。尾縣貢専務理事は「2年間、しっかり準備をしてまいりましたので、次の新しいステージに移っていきたい」と今後に向けて抱負を語った。2012年のロンドン五輪後に就任し、強化委員長として2期目に入った原田康弘理事は「これからの2年間は、強化を一体となって頑張っていかなくちゃいけない」と述べ、「北京世界選手権、リオデジャネイロ五輪に向けての戦える競技者の育成と派遣」「2020年東京五輪に向けた選手の育成と強化」と強化方針の2つの柱をあげた。今回の新体制は、前体制では中長距離・ロード部門で中長距離・マラソンとなっていた種目区分から中距離を独立させた。さらには強化委員会内に「2020年東京オリンピックプロジェクトチーム」を立ち上げた。(写真:新強化体制での意気込みを語る原田強化委員長)
「地盤は固まってきている。きちっと結果を出していきたい」。11月に2期目を迎えた原田強化委員長は意気込んだ。
男子短距離部長は、100メートル日本記録保持者である伊東浩司氏が退任。ロンドン五輪で短距離部長を務めていた苅部俊二氏が復帰した。「責任の重さを強く感じている」という苅部部長は、昨年12月発足のナショナルリレーチームの編成について言及した。400メートルと1600メートルのメンバー選考をひとくくりにし、「種目に固執せず、その時の強いメンバーを選びたい」と語った。来年は第2回世界リレー選手権を控え、そこで8位入賞を果たせばリオデジャネイロ五輪行きが早くも決まる。苅部部長も「重点的に強化をしていく」と語った。さらに日本男子の100メートル9秒台に関して問われると「条件さえ合えばできると思う。早く突破して欲しい。1人が出たら、2人、3人と出てくる」との見解を示した。一方の女子は、瀧谷賢司部長が「崖っぷちを意識して、この1年を乗り切りたい」と発言。目標は400メートル、1600メートルで世界選手権出場を挙げ、加えて日本記録を更新することが「リオに向かっての第一歩」と述べた。
リレー同様にナショナルチームを編成しているマラソンは、宗猛男子長距離・マラソン部長が「目ぼしい結果というのアジア大会銀と銅くらい。これから冬のマラソンに入ります。その中でしっかりと走れる選手の入れ替えを行いながら、新しい選手を入れたい」と今後の方針を明かした。東京五輪に向けて、未経験でもマラソンへの意欲がある大学生や実業団に所属する20代前半の選手をナショナルチームへ抜擢する可能性も示唆した。女子長距離・マラソンの武冨豊部長は、この2年間を振り返り、世界選手権とアジア競技大会でのトラックとマラソンでの好成績に手応えを掴んだよう。「まだまだ女子の可能性は十分ある。みんなで心をひとつにして取り組んでいく」と更なる飛躍を誓った。
日本陸連は東京五輪の目標を「メダル5、入賞7」としている。尾縣専務理事は「とんでもない数字を言った。しかし低いところに目標を置いてしまうと今まで変わらない活動になる。あえて高い目標を掲げています」と、その意図を口にする。東京五輪に向けてはプロジェクトチームが新たに組織され、ディレクターには山崎一彦副委員長が就任した。トップ選手を例にした競技や種目変更のパターンを分析し、データ化する「タレントトランスファーマップ」の作成や、選手発掘に関する「タレントマネジャー」の設置をはじめとする東京五輪以降も見据えた強化システムを構築していくのだという。2年後のリオ、6年の東京、そしてその先へ――。日本陸上界は、未来へ向けて、もう走り出している。
(文・写真/杉浦泰介)