ハリルホジッチ新監督、正式決定 初陣は27日チュニジア戦
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(写真:会見に臨んだ(左から)霜田委員長、原専務理事)
ハビエル・アギ―レ前監督の解任から37日。2018年ロシアW杯出場を目指し、6月から予選を戦うサムライブルーの新体制が決まった。
理事会後の会見では霜田委員長が新監督決定までの経緯を説明。新しい指揮官選びの方針は「開幕を目前に控えたJクラブの現職監督を引き抜かない」「外国人監督を招聘する場合は、世界を知り、世界を経験している人物を連れてくる」の2点だった。
技術委員会では、この条件に合致した候補者をリストアップし、情報収集をスタートした。2月8日から21日までは霜田委員長が海外に渡り、候補に挙げた人物と接触。この中にハリルボジッチ新監督も含まれており、現在の契約状況やサッカー観、代表監督への意欲などをリサーチした。
アギ―レ前監督は世界での実績、経験とも十分な指揮官だったが、八百長疑惑が沸き上がって解任に至った。協会の原博実専務理事によると、今回は“身辺調査”も協会内部の実施だけでなく、「候補者が挙がってきた段階で外部機関にもチェックしてもらった。海外の機関にも依頼し、チェックした」という。
これらを踏まえて、技術委員会ではオファーを行う優先順位を決定。そのトップがハリルホジッチ新監督だった。
「決して日本協会の条件が素晴らしかったわけではない。彼はいろんな国の代表監督やビッグクラブのオファーを断って日本代表を選んでくれた」
交渉役を務めた霜田委員長は、新指揮官に「日本代表の新しいプロジェクトをやってみたい」との思いの強さが合意を勝ち得た要因と語る。そして、「日本人の持っているクオリティやストロングポイントを生かして、世界で戦える武器を増やしてくれるんじゃないか」と大きな期待を寄せた。
ハリルホジッチ新監督は現在はフランス国籍を保有し、フランス語を話す。出身はボスニア・ヘルツェゴビナで、イビチャ・オシム元代表監督とも親交がある。一部では、選考段階で「オシム元監督の推薦を受けた」と報じられたが、霜田委員長は「具体的に何かを話した事実はない」と否定した。実際には海外での情報収集中、オシム元監督の下を訪ねようとしたが、不幸事があり、キャンセルになってしまったという。霜田氏は訪問の目的について「日本代表を外から見てどうか、サッカーの話を単純にしたかった」と監督人事とは関係がなかったことを強調した。
新監督を支えるコーチ陣も合わせて承認され、フランス人のジャッキー・ボヌベー氏がコーチに、同じくフランスのシリル・モワンヌ氏がフィジカルコーチに就任する。GKコーチは「日本人のゴールキーパーから高い信頼を得ている」ことから、アギーレ前監督のスタッフだったスペイン人のリカルド・ロペス・フェリペ氏が引き続き務める。
「勝利するためには一切、手を抜かず、やれることはすべてやる。勝利のためには完璧主義者でありたい」
新監督は霜田委員長に、こう自身のポリシーを述べたそうだ。理事会での承認直後に早速、機上の人となり、来日する新しいリーダーが何を語り、どんなチームづくりをみせるのか。まずは13日の“施政方針演説”に耳を傾けたい。