レッドブロック3位通過 6年連続決勝T進出 ~伊予銀行テニス部~
12月5日開幕した第34回日本リーグはファーストステージとセカンドステージを終えた。2月7日からの3日間、神奈川・横浜国際プールで決勝トーナメントが行われる。レッドブロックの伊予銀行テニス部は6勝2敗で、6年連続の決勝トーナメント進出を決めた。
キャプテン佐野紘一が引退し、2人のルーキーが加入した伊予銀行。リーグ戦8試合は若手の奮闘が目立った。まずは横浜国際プールで行われたファーストステージ。シングルスNo.2を任されたのは坂井勇仁だ。初戦こそ2シーズン前に日本リーグを制した橋本総業ホールディングスの斉藤貴史に敗れたものの、2戦目以降は3連勝。チームのファーストステージ2勝に貢献した。
指揮を執る日下部聡監督がキーポイントに挙げたのが3戦目の三菱電機戦だ。1対2で惜敗したが、前年度王者と好勝負を繰り広げたことで手応えを掴んだという。坂井はシングルスNo.2として仁木拓人にフルセットで競り勝った。
「坂井がシングルスでまず1勝挙げてチームに勢いをつけてくれた。ダブルスも6-7、6-7と惜しい試合でした。昨年の優勝チームにあと一歩で勝てるというところまでいったので、そこは本当に自信になった」
2勝2敗で迎えたセカンドステージは4連勝。各ブロック上位4位までに与えられる決勝トーナメントへはレッドブロック3位で進出を果たした。兵庫・ブルボンビーンズドームで行われたセカンドステージはもう1人のルーキー大塚健太郎が踏ん張った。
1月15日のMS&AD三井住友海上戦は2対1で勝利したものの、シングルスNo.2坂井は逸崎凱人にストレート負け。実はセカンドステージ前に左手を負傷していた。2戦目のオーエスジー戦は弓立祐生をシングルスNo.2に起用したが、フルセットで敗れた。日下部監督は3戦目の日本紙通商戦、思い切って、シングルスNo.2に大塚を抜擢したのだ。
神戸学院大出身の大塚は、早稲田大学出身の坂井と比べれば、実績で劣る。だが、入校後の成長は目ざましいものがあるという。大塚は日本リーグデビューとなった日本紙通商戦、セカンドステージ最終戦のエキスパートパワーシズオカ戦いずれも勝利した。
ストローカータイプの大塚は、元々バックハンドが得意ではなかった。それが少しずつ深い球も打てるようになり、ネットプレーの精度も上がってきた。日下部監督は「オールランドにできる選手に育ってきています」と語り、成長の理由をこう推測する。
「大塚はテニスが大好きで練習も部員の中で一番練習する子です。同期にインカレで優勝している坂井という存在がいるのも彼の中では大きいと思います。2人で話し合って、この1年やってきた。ライバルでもあり、仲の良い同期でもある関係が上手くいっているのだと思います」
伊予銀行として6年連続の決勝トーナメント、日下部監督体制となってからは3年連続の決勝トーナメント進出だ。第29回大会で3位入賞以降は、4年連続1回戦(準々決勝)で敗れている。“今年こそ”の思いは強い。今シーズンの相手はブルーブロック2位のイカイ。ここ2大会連続準優勝、オールプロの強豪である。6シーズンぶりの日本一へ、ブルーブロックで7勝を挙げた。実績、メンバーを見ても相手が格上だと言っていいだろう。
決勝トーナメントまでの残り少ない時間でチーム強化に加え、“イカイ対策”を練る必要もある。日下部監督は「おそらくイカイさんはブルーブロックに出ていなかった外国人選手が起用されるのではないかと予想しています。だからその時のイカイさんとはまた違ったチームだと考えています」と警戒する。
どういったオーダーを組むかもポイントになるだろう。レッドブロックの8試合中、シングルスNo.1はエースの片山翔が全試合、ダブルスは昨シーズンのベストアマチュア賞を獲得した飯野翔太&河野優平組が7試合に起用された。これまで比較的堅いオーダーを組んできた日下部監督も“奇襲”も含めた策を練っている最中だ。
決勝トーナメントに向け、日下部監督はこう意気込む。
「これまで5位が続き、昨年は7位でした。“どうしても初戦を突破したい”と選手たちもモチベーション高くやっています。過去最高の3位に向け、それ以上の成績を目指して今はトレーニングしています」
過去を超えるためにはジャイアントキリングを果たす必要がある。決戦は2月7日金曜日。横浜を舞台に、伊予銀行が難敵に挑む。