Jリーグキックオフカンファレンスが14日、都内で開催された。今年はJ1、18クラブの監督と各クラブの代表選手が出席。天皇杯を制したヴィッセル神戸からは元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタが、13年ぶりにJ1復帰を果たした横浜FCからは“カズ”ことFW三浦知良が、昨季リーグ王者の横浜F・マリノスからは得点王のMF仲川輝人が出席した。16日にはルヴァンカップが開幕し、21日からJリーグが開幕する。

 

 今年の注目プレーヤーのひとりに名古屋グランパスのMF相馬勇紀をあげたい。彼は名古屋の代表選手として、キックオフカンファレンスに出席していた。クラブの期待もうかがえる。

 

 今年1月にタイで開催されたAFC U-23。若き日本代表はサウジアラビア、シリア、カタールと同組だった。1勝もあげることもできず、タイを後にした。暗い話題ばかりが報じられたが、明るい材料は相馬だった。

 

 相馬はウイングバックの位置に入り、スピード、俊敏性、巧みなステップワークをいかしたドリブルで再三チャンスを演出。この世代で唯一重苦しい流れを変えられる貴重な存在であることをアピールした。

 

 今年は東京五輪が開催される。生き残りをかけ、熾烈なポジション争いをリードするためには、クラブで結果を残すことは第一条件だ。「いろいろ経験して自信もつきました。今年は数字をしっかり出す」と相馬は語り、こう続けた。

 

「代表で求められているのは個人の力で打開すること。ウイングバックですが、僕はフィジカルコンタクトも得意なので問題ありません」

 

 

 昨季は夏から半年間、鹿島アントラーズに期限付き移籍を果たし、今年から名古屋に復帰した。鹿島で得たことは? と水を向けるとこう答えた。「自分のスピードは通用するなと改めて実感できました。それに加えメンタルの面で“これだけ勝ちにこだわるのか”と学びました」。

 

 名古屋は昨季、9勝10分け15敗の13位でリーグを終えた。本来の力を考えれば、この順位にいるべきクラブではない。22歳のドリブラーは「今年は自分が名古屋を勝たせる」と意気込む。

 

 名古屋の浮上のカギを握っている相馬のプレーに注目してほしい。

 

(文/大木雄貴)