(写真:ギタウは2トライ、6ゴールで22得点を挙げた)

 22日、ジャパンラグビートップリーグ第6節が各地で行われた。東京・秩父宮ラグビー場での試合は、サントリーサンゴリアスが日野レッドドルフィンズを69-14で下した。11トライを挙げる大勝で、3トライ以上差で得られるボーナスポイントを獲得した。サントリーは通算成績で4勝2敗、勝ち点22で暫定4位に浮上。敗れた日野は4連敗で1勝5敗となった。

 

 関東地方に春一番が吹き荒れた。秩父宮ラグビー場のゴールポストが大きく揺れるほどの強風。サントリーのキャプテンで、SH流大は「僕のラグビー人生の中でも1、2番の強さ」というコンディションに対し、「あまりロングパスをしないようチームに求めた。シンプルなアタックで我慢し続けることを意識ました」と振り返った。

 

 前半9分にラインアウトモールからHO北出卓也のトライで先制すると、サントリーのトライラッシュが続いた。WTB中靏隆彰がハットトリック。FB尾﨑晟也、WTB江見翔太、LOトム・サベッジが1トライずつ。計7トライを挙げ、47-7で試合を折り返した。

 

 後半もサントリーペースは変わらない。4分、パスが乱れたところをCTBマット・ギタウが拾うと、パスフェイクで外へと意識させ、自ら突破した。インゴール右中間へのトライ。ギタウは24分にもラインアウトのこぼれ球を拾い、トライに繋げた。

 

「2番目の10番」という役割に徹したギタウ。SO田村煕とのコンビネーションで日野に的を絞らせなかった。日野のキャプテン村田毅は「オプションを絞りづらかった。中を必死に守っていると、気がつくと外が余っていた」と肩を落とした。サントリーのミルトン・ヘイグ監督も「WTBのスペースをつくるための仕掛けもすごくうまい」と称えた。

 

 攻め手を緩めないサントリーは2トライを追加。計11トライを挙げ、69-14で勝利した。前節のトヨタ自動車ヴェルブリッツ戦に続き、ボーナスポイントを獲得しての大勝となった。ヘイグ監督は「70点近く取れたことは満足しています。(勝ち点)5ポイントとって帰ることが目的。自分たちのやりたいラグビーが見せられた」と胸を張った。

 

 流は語る。

「僕らのDNAはアタッキング・ラグビー。そのうえでブレイクダウン(球際の争奪戦)は生命線になる。練習でもチームメイトに強く要求してきましたし、コーチ陣もフォーカスしてきた。それがここ2試合で良くなってきている要因」

 

 今季はリーグ戦総当たりで優勝を決める。暫定トップのパナソニック ワイルドナイツは6連勝中。既に2敗しているサントリーが2季ぶりの王座奪還を果たすには、1敗もできない状況が続く。「目の前の1試合にフォーカスすることは変わらない。1週間単位で準備していく」と流。次節は1週間後、三菱重工相模原ダイナボアーズと対戦する。

 

(文・写真/杉浦泰介)