岸岡智樹、頭脳派SOの解答
今春、
1月11日、早大ラグビー部は11年ぶりに"荒ぶる”
「ラグビーに限らずスポーツ選手にとって、
エンジと黒の早大vs.紫紺の明大。
20分、岸岡は自陣からのパントキックを蹴ったが、
しかし、ここからがすごかった。
山沢が蹴ったボールが岸岡の手に渡る。岸岡は再 “飛び道具”の狙い
岸岡=ドロップゴール。
「ある種、代名詞になったのかなと。その後、
ドロップゴールという選択は、
「
本人の記憶によれば早大進学後、
25分、「 さすがに遠過ぎました。蹴っても良かったのですが、 蹴る意味を考えた時にチームの士気が下がる可能性があった。そう考えると蹴ることはマイナス だった。フェイクを入れたのは、“アイツ、何をやるんだ。面白いな”と思わせることができれば観客も味方につけられると考えたんです 」
岸岡のパントキックは明大が処理にまごついた。実は本人によるとキック自体はミスだったという。「 会場を気にし過ぎてキックに集中していなかったかもしれません」。ただ明らかに岸岡がボールを持った際の明大側からのプレッシャーは増 していた。時間だけでなく相手の体力を消耗させることにも繋がった。26分のパントキックはタッチライン際でボールが跳ね、明大の選手に当たり、 マイボールラインアウトを獲得。 直後に岸岡のパスからWTB長田智希のトライが生まれた。 面白いほどキレイに抜けた長田のランは、 岸岡が招いた明大の混沌と無関係ではなかったのだろう。
後半は明大の反撃に遭った。 残り10分で10点差に詰められた時、 スタンドから割れんばかりの明治コールが鳴り響いても岸岡は冷静 だった。
「20分に17点差まで迫られた時は 3分以内に取られるとやばいなと思いました。 次の得点までに8分かかりましたから、 それほど焦りはありませんでした。 次に得点を取ればいいだけかなと。ラグビーは点の取り合いになるスポーツ。 いかに連続得点を取り、連続得点をさせないかがカギになる」
34分にWTB桑山淳生にトライが生まれ、明大を引き離すと勝利を確信した。
残り約5分――。早大は明大に1トライを返されたものの、 最後は45-35と10点差で逃げ切った。耐える時間帯、 岸岡は特別な感情に包まれていた。
「“試合が続いてほしいな” と思うことは負けているときはあるんですが、 勝っていてもというのは初めてに近かった。 身体的にはしんどい部分ももちろんありましたが、精神的には“ もっと楕円球を追いかけていたいな”と思っていました」
試合中は冷静さを失わなかった岸岡だが、 優勝が決まると感極まった。「 3年分くらい泣いたかもしれません」と本人。 仲間と場内を回る時も涙は止まらなかった。 それだけ特別な瞬間だったのだろう。「しっかりと時間をかけて、 日本一を味わえた」と振り返った。
34分にWTB桑山淳生にトライが生まれ、明大を引き離すと勝利を確信した。
残り約5分――。早大は明大に1トライを返されたものの、「“試合が続いてほしいな”
試合中は冷静さを失わなかった岸岡だが、
自分らしさを追求
早大首脳陣からの岸岡に対する評価はすこぶる高い。
その優れたラグビーIQばかりが着目されるが、
「キックが飛び、パスが速い。足も速い。
後藤コーチは岸岡の今後に期待を寄せる。「まだのびしろはある。 次のステージで、 高い能力を発揮してくれることを僕は楽しみにしています」
岸岡は大学卒業後のステージは、「チーム目標を自分の目標に置き換え、
大学のラグビー部を引退し、現在は
岸岡に理想とする選手はいない。
「僕のテーマは自分らしさ。 理想とする選手がいないと答えるのも、 誰かの真似をしていたら超えられないと思うからです。 自分自身である理由を探している。 その選手にしかない個性で僕は勝負していきたいところもあります。 良い選手の良いところを掛け算して僕の新たなスキルとして身に着 けることができたらいいなと思っています」
自分らしさとは――。岸岡は己の武器を模索中だ。冷静でスタンダードな司令塔に見えて時に大胆なプレーをする。彼なりの解答を聞いてみたくなる選手である。
「僕のテーマは自分らしさ。
自分らしさとは――。岸岡は己の武器を模索中だ。冷静でスタンダードな司令塔に見えて時に大胆なプレーをする。彼なりの解答を聞いてみたくなる選手である。
<岸岡智樹(きしおか・ともき)プロフィール>
1997年9月22日、大阪府枚方市生まれ。
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