(写真:2019年度、桜花学園でキャプテンを務めた平下。春にはトヨタ自動車に入団する ⓒBS11)

 桜花学園高校は、言わずと知れた高校女子バスケットボールの名門だ。全国大会で獲得したタイトルは60を超える。そのすべてが1986年に就任した井上眞一ヘッドコーチの在任時に手にしたものだ。卒業生にはアトランタ五輪出場の山田かがり、岡里明美、アテネ五輪出場の大神雄子ら。東京五輪での活躍が期待される渡嘉敷来夢、高田真希ら現日本代表の中核を担う選手も同校出身である。

 

 桜花学園は走るバスケが特徴で、選手全員に豊富な運動量を求める。速攻の際には、サイズの大きいセンターやフォワードの選手が先陣を切って走り、得点を狙う。同校OGで、東京医療保健大学のインカレ3連覇に貢献した藤本愛妃は「速攻などで先頭を切って走り点を取るのが桜花の時に身に付けた武器です。桜花に入るまではインサイドでシール(ディフェンスの前に身体を入れ、密着して相手の動きを封じること)して点を取っていました」と語っていた。

 

 その桜花学園で、2019年度のキャプテンを務めたのが平下愛佳(3年)だ。練習でチームメイトに檄を飛ばし、試合では得点源としてチームを引っ張ってきた。1年時から主力としてプレーし、U-18日本代表にも選ばれた。身長177cmと高さもあり、運動量も豊富。内外から得点でき、シュートエリアの広いスコアラーだ。19年度は桜花学園の3冠達成に大きく貢献した。

 

 平下はこの春、Wリーグの名門・トヨタ自動車アンテロープスへの入団が内定している。アーリーエントリーでひと足早くチームのユニホームに袖を通した。今月22日のアイシン・エィ・ダブリュ ウィングス戦でWリーグデビューを果たし、初得点を挙げた。

 

 スポーツ界では10代のキラボシたちが躍動している。サッカーの久保建英は世界最高峰のラ・リーガ(スペイン)でプレーし、卓球の張本智和は東京五輪でのメダル獲得の期待が集まっている。男子バスケでは福岡第一高の河村勇輝は三遠ネオフェニックスと特別指定選手契約を結び、1試合平均13.2得点をマークするなど大きなインパクトを残した。18歳の平下がWリーグの舞台でどこまで輝けるかに注目だ。

 

「バスケがないと、ただの高校生だった。バスケに出会えて良かった」と語る女子バスケ界のキラボシは、次なるステージへ意欲を燃やす。目標はオリンピック出場。4年後のパリへ、Wリーグで一際煌めくことが、その近道だ。

 

 BS11のスポーツドキュメンタリー番組『キラボシ!』は、毎週火曜23時に放送中です。桜花学園高校を特集した回は、2月4日(火)にオンエア。2019年度のウインターカップでの平下選手、桜花学園の奮闘ぶりを追いました。番組を見逃した方もオンデマンド配信(放送後9週間限定。桜花学園の回は3月24日迄)でチェックできます。ぜひご視聴ください!


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