セガサミー野球部、2020年の公式戦初戦となった東京都企業春季大会において、1回戦・東京ガス戦(3月26日)に勝利しました。私にとってもセガサミー監督として初勝利であり、ようやく始まったなと改めて身が引き締まる思いです。大会は残念ながら新型コロナウイルスの感染拡大の影響により27日で打ち切りとなりました。次に当たるはずだった鷺宮製作所との対戦も楽しみにしていたんですが、ここまで感染拡大のスピードが早いとは誰も予想しなかったことであり、仕方がありません。コロナには勝てなかったということですね。

 

 勝ちに不思議の勝ちあり

 東京ガス戦を一言で振り返れば、野村克也さんではありませんが、「勝ちに不思議の勝ちあり」という一戦でした。先発はうちが森井絃斗、東京ガスは高橋佑樹。出来でいえば相手の高橋の方が上でした。森井はフォアボールを6つ出すなど苦しいピッチングでしたが、悪いなりに良く投げてくれました。ヒットはセガサミー8本、東京ガス9本。スコアは6対2でしたが、結果がひっくり返っていてもおかしくない試合でしたね。

 

 そんな中、キャプテンの宮川和人が先制打を放って流れをつかみ、途中、相手のエラーもありましたし、最後は澤良木喬之が3ランで試合を決めてくれました。1点差、2点差のままならどうなっていたのかわからない展開だったので、あの一発は効果的でした。投手は森井の後、久保田淳希、抑えの陶久亮太とつなぎ、新人左腕の久保田は公式戦の雰囲気を感じることができたんじゃないでしょうか。

 

 チームはこの後、JABA四国大会や日立大会と公式戦が予定されています。ただ、状況によって開催がどうなるのか不透明な部分もあり、選手としては調整が難しいところでしょう。ただ、日本だけでなく世界中でウイルスの感染拡大が続いているという状況を肝に銘じ、野球ができていることに感謝しながら、選手は練習やトレーニングなど、できることをしっかりとやっていくしかありません。当然、不要不急の外出を控えるなどの自己管理も求められます。まあ選手に限らず、今は誰もがそうでしょう。凡事徹底、備えあれば憂いなし。個人でやれることをしっかりやり、感染しないように気をつけて過ごすしかありません。

 

 企業大会の前には母校・法政大とオープン戦を行いました。久しぶりに武蔵小杉グラウンドの土を踏み、後輩で現法政監督の青木久典や法大OBの江本孟紀さんなどとも顔を合わせることができました。石川達也、高田孝一、鈴木昭汰と法政の3本柱も投げてくれて、このオープン戦はなかなか意義のあるものになりました。

 

 こうしてアマチュア時代から続く旧交を温めることはもちろん、私が社会人野球の監督になったことをきっかけに、少しでも多くメディアにアマチュア野球が取り上げてもらえれば嬉しいですね。先日はJABA公式サポーターの取材を受けた記事が掲載されていました。香川オリーブガイナーズ時代も思っていましたが、社会人野球にも独立リーグにも良い選手はたくさんいます。彼らのことを知ってもらうためにも、メディアへの露出は大事です。そのためにもっとアピールしていきたいと考えています。

 

 キャンプ、オープン戦、そして春季大会を通じて、チームの雰囲気は最高です。ベンチでも選手一同、声が出ていますが、一番声が大きいのは私の隣にいる佐藤俊和ヘッドコーチです。そのせいで耳が痛いこの頃です(笑)。

 

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