2018年ロシアW杯アジア2次予選の組み合わせ抽選会が14日、マレーシアのクアラルンプールで行われ、FIFAランキング50位の日本はグループEに入り、シリア(同126位)、アフガニスタン(135位)、シンガポール(162位)、カンボジア(179位)が同組となった。アジア2次予選はホーム&アウェーの総当たり方式で6月から来年3月まで実施され、各組1位と、2位の成績上位4チームが来年9月からの最終予選に進出する。
 今回の組み合わせ抽選は、出場40チームをFIFAランキング順に、あらかじめ5つのポットに分割。各ポットから1チームずつを選び、各組に割り振る方式がとられた。ランキングではイラン(40位)に次いで2番目の日本は、最上位のポットに入った。

「良いグループに入った」
 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督がコメントしたように、グループ内に難敵はいない。日本以外にW杯出場経験国はなく、過去の対戦成績をみても、シリアには7勝1分0敗、アフガニスタンには1勝0敗、カンボジアには2勝0敗と無敗だ。唯一、シンガポールには20勝1分3敗だが、敗れたのは1978年が最後。以降は11勝1分0敗と圧倒している。

 今回はW杯出場経験のあるサウジアラビア、前回の最終予選で敗れたヨルダンが2番手のポットに入り、同組になる可能性があった。それを避けられた点では恵まれた組み合わせと言えるだろう。

 ただ、アウェーでの戦いにおいてはピッチ外に不安がある。シリアとアフガニスタンは外務省が「退避勧告」を出している国だ。シリアはISIL(イスラム国)や反政府勢力が入り乱れての内乱状態に陥っており、ISILに拘束された日本人人質が殺害された事件も記憶に新しい。またアフガニスタンはイスラム武装勢力のタリバーンによる襲撃が今もなお続いている。治安上の理由で両国での試合は中立地開催になる可能性が高いとはいえ、紛争地に乗り込む準備と覚悟もしておく必要がある。

「前もって勝てるという保証はないので、各試合しっかり準備をして、ホームでもアウェイでも勝つ努力をしたい」
 指揮官が目指すは全勝通過だ。早々に1位通過を決めれば、来年3月のホームでの試合を新戦力を試す機会にも使える。

 2次予選は突破は当然のことながら、最終予選へハリルホジッチ監督のサッカーを浸透させ、チーム力を高める貴重な場でもある。
「すべての試合においてかなり厳しい要求をしていきたい」
 熱血指揮官の下、いよいよロシアへの道のりがスタートする。 

【アジア2次予選、日本の対戦日程】

2015年
6月16日 シンガポール(A)
9月3日 カンボジア(H)
9月8日 アフガニスタン(A)
10月8日 シリア(A)
11月12日 シンガポール(H)
11月17日 カンボジア(A)

2016年
3月24日 アフガニスタン(H)
3月29日 シリア(H)