RCC(中国放送)の坂上俊次アナウンサーの新刊<「育てて勝つ」はカープの流儀>(株式会社カンゼン/定価:1600円+税)が3月9日に発売された。

 

 坂上アナといえばカープ戦実況歴20年を数える実力派アナウンサーとしてお馴染みだが、実は喋りだけでなく筆も立つ。これまで4冊の著書があり、そのうちの一冊「優勝請負人」(本分社)は第5回広島本大賞を受賞した。

 

 今回の新刊はタイトルにあるとおり「カープの選手育成」にフォーカスしたものだ。

 

 登場するのは新指揮官の佐々岡真司監督を筆頭に、カープ御意見番の元2軍監督・安仁屋宗八、フロントからはスカウト統括部長・苑田聡彦、さらに現場組の廣瀬純(外野守備走塁コーチ)、朝山東洋(打撃コーチ)、倉義和(バッテリーコーチ)、東出輝裕(2軍打撃コーチ)。"育てて勝つ秘密"を深く知る人物ばかりである。

 

 ちなみに昨季、カープの開幕オーダーは一番の田中広輔から始まり、菊池涼介、西川龍馬、鈴木誠也、松山竜平、野間峻祥、會澤翼、安部友裕、大瀬良大地と、9人全員が生え抜きで固められた。

 

<FAがどうこうというけど、他球団から欲しいと言われるのは、選手に力がついたということ。素晴らしいことよ。うちは、また育てればいい。その繰り返しよ。>(安仁屋宗八談・同著より)

 

 坂上アナがマイクをペンに持ち替え、12球団一の育成術に迫った好著である。カープファンのみならず、全てのプロ野球ファンに読んでもらいたい。