皆さん、こんにちは。白寿生科学研究所・小野でございます。新型コロナウイルスの猛威はとどまるところを知らず、2019年11月の中国での発生から今や200以上の国に広まり発症者が400万人以上、死者が20万人に到達してしまうなど、世界に甚大な被害をもたらしています。日本でも緊急事態宣言が発令され、外出自粛などの節度ある行動が求めラ得ています。


 私の仕事は就職を希望する大学生を中心に基本的に人と会うことで成り立っています。しかし緊急事態宣言下では各大学に足を運ぶこともできず、就職支援は野球部関係者や学生と電話やSNSを使って実施しています。

 

 毎日のように学生と連絡を取っていますが、聞こえてくるのは不安の声ばかりです。

 

「コロナウイルス感染拡大で就活ができない」「先行きが不透明で不安感が増幅する」「内定が今のところゼロ。本当に内定が取れるのか……」「大学野球、最終年の活動は?」「来年自分は就職できるのか」

 

 マイナスな発想に陥っている学生を相手に、私は不安を増長するような発言はしないよう細心の注意を払っています。少しでも相手を勇気づけ、少しでも前向きな考え方になってほしい。何でもいいから明るく物事をとらえてほしい。そう考えながら、相手が何を望んでいるのかを引き出し、ときには冗談を交えながら雰囲気を和ませながら電話越しに語り合っています。

 

 この状況はすぐには収束するとは思えず、来年以降にも影響が出ることも十分に考えられます。この現実をしっかりと受け止め、自分自身は今何をしなければならないのか? テレビは番組収録もままならない状況なのか、総集編や再放送が主いなっています。そうした状況もあり、テレビを見ずに、空いた時間は様々なことを考えることに使っています。

 

 本当なら今の時期はオリンピックへのカウントダウンが始まり、日本中がスポーツで盛り上がりを見せ、様々な経済活動も活発に行われていたことでしょう。1年延期が決定し、複雑な思いでいるアスリートの方も多いことでしょう。1年延びたことで身体の管理やモチベーションの維持などにも影響が出ます。ですが、ここは「この1年でもっと成長できる時間を与えてもらった」というプラス思考で捉え、今後の鍛練をより良いものにして欲しいと思います。この苦境をバネに更なる進化を見せるのもアスリートの本領です。困難な時期に人々に希望や勇気を与えられるのもアスリートだと思っています。来年の活躍を期待し、スポーツの力を信じ応援したいと思います。

 

 当たり前の表現になってしまいますが、やまない雨はないし、明けない夜はありません。プロ野球を始めとしたプロスポーツが当たり前のように行われ、人々がそれを見るために外出でき、みんなが心の底から笑顔になる日が来ることを信じ、今は自分のできることを頑張っていきます。そして最後に。医療従事者や物流など生活を支えてくださっているすべての皆さんに心から感謝を述べたいと思います。ありがとうございます。

 

 読者の皆さんも体に気をつけてお過ごしください。

 

<小野仁(おの・ひとし)プロフィール>
1976年8月23日、秋田県生まれ。秋田経法大付属(現・明桜)時代から快速左腕として鳴らし、2年生の春と夏は連続して甲子園に出場。94年、高校生ながら野球日本代表に選ばれ日本・キューバ対抗戦に出場すると主軸のパチェーコ、リナレスから連続三振を奪う好投で注目を浴びた。卒業後はドラフト凍結選手として日本石油(現JX-ENEOS)へ進み、アトランタ五輪に出場。97年、ドラフト2位(逆指名)で巨人に入団。ルーキーイヤーに1勝をあげたが、以後、制球難から伸び悩み02年、近鉄へトレード。03年限りで戦力外通告を受けた。プロ通算3勝8敗。引退後は様々な職業を転々とし、17年、白寿生科学研究所に入社。自らの経験を活かし元アスリートのセカンドキャリアサポートや学生の就職活動支援を行っている。


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