キリンチャレンジカップ2015が28日、南長野運動公園総合球技場で行われ、なでしこジャパン(日本女子代表、FIFAランキング4位)はイタリア代表(同13位)と対戦した。W杯前に最後の実戦となったなでしこは、前半は得点を奪えなかったが、後半9分、FW大儀見優季が先制ゴールをあげる。その後は危ないシーンもありながら、しのぎ切り、24日のニュージーランド戦に続き、1−0で逃げ切った。

 対イタリア、8戦目で初勝利(長野)
日本女子代表 1−0 イタリア女子代表
【得点】
[日本] 大儀見優季(54分)
 本番直前の2試合をともに1−0。佐々木則夫監督は「緊張感のあるゲームで勝ちきれたことは良かった」と一定の手応えを口にした。

 スタメンはMF澤穂希が2戦連続で出場。右足首のケガで出遅れていた阪口夢穂がボランチで先発入りした。立ち上がりから日本は攻勢をみせる。前線の大儀見にスルーパスを送り、チャンスメイク。18分にはFW大野忍がドリブルで中央に切り込んでシュートを放つも、ポストに嫌われ、先制点を奪えない。その後もセットプレーからゴールを狙うがゴールがあげられないまま、試合を折り返した。

 ようやく得点が生まれたのは後半7分だ。左サイドからMF宇津木瑠美のクロスに大儀見がスライディングしながら右足を伸ばす。
「良いクロスが上がって、反応するだけだった」
 シュートはゴール左に決まり、なでしこが1点を先行する。

 W杯へ向け、なでしこはオプションも試した。17分には澤に代えてDF鮫島彩を投入。「鮫島はチャンスメーカーとして起用するのはどうだろうか」という佐々木則夫監督のアイデアで、左サイドハーフのポジションに入った。

 この鮫島が早速、左サイドをえぐり、好機を演出。大儀見にラストパスを供給するなど、攻撃のスイッチを入れた。しかし、「もっともっと使いきれば良かった」と指揮官も課題にあげたように、試合終盤になるにつれて、なでしこもミスが目立ち、ボールがつながらない。ロスタイムには途中出場のFW菅澤優衣香がゴール前でフリーになったが、シュートを打ちきれず、追加点のチャンスを逃した。

 課題に掲げられていた守備はヒヤリとするシーンがありながらも2試合連続の無失点。本番を見据え、GKは海堀あゆみから福元美穂に途中交代したが、守りの綻びは生じなかった。一方、攻撃では「まだまだ細かいところを詰めていかないといけない」と大儀見が指摘したように、連係面では宿題が残った。

 なでしこは千葉で国内最後の調整を行った後、1日にカナダへ渡り、日本時間9日のスイスとの初戦に備える。