テニスのグランドスラム大会、全仏オープンは2日、男子シングルス準々決勝が行われ、世界ランキング5位の錦織圭(日清食品)は、同15位でジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス)にフルセットの末に敗れ、日本人では佐藤次郎(1931年、33年)以来となるベスト4入りを逃した。地元選手相手で完全アウェーの中での試合となった錦織は、第1、第2セットを連続で落とす。第3、第4セットは逆に連取して最終セットに持ち込んだが力尽きた。
 中断も含めて4時間を超える激戦も、立ち上がりの悪さが最後に響いた。
 第1セット、錦織はファーストサーブが決まらず、サービスゲームをキープできない。サービスゲームは3連続ブレイクを許し、1−6で最初のセットを失う。

 続く第2セットも最初のサービスゲームをブレイクされる苦しい展開。ショットが強風に煽られて思うようにコントロールできず、本人も苛立ちを隠せない。セットの途中には、スタンドの看板が風に飛ばされて観客席に落下し、試合が中断するアクシデントが発生したが、結局、このセットを4−6で失って後がなくなる。

 ただ、約40分の中断が錦織には幸いしたのか、第3セットは息を吹き返す。サービスゲームをきっちりモノにすると、4−4の第9ゲームでは6度のデュースにもつれこむ展開を制し、ブレイクを許さない。この粘りが実り、直後の第10ゲームでブレイクに成功し、6−4で第3セットを制す。

 第4セットになると、ツォンガの速いサーブにも対応し始め、第4ゲームをブレイク。逆にサービスゲームはすべてキープし、6−3で2セットオールまで盛り返す。

 このまま錦織の流れかと思われたが、ファイナルセットは、地元の大声援に背中を押されたツォンガが再び勢いを取り戻した。威力と精度を兼ね備えた相手のショットに押し込まれ、第4ゲームでブレイクを喫す。そのままサービスゲームはキープされ、相手のマッチポイントではバックのリターンが大きく外れて敗退が決まった。