22日、2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会は追加種目検討会議を都内で行った。応募のあった26の国際競技団体(IF)のうち野球・ソフトボール、空手、スカッシュなど8つのIFが1次選考を通過。今後は8月7、8日に各IFとのヒアリングを行い、最終的に組織委の理事会で国際オリンピック委員会(IOC)に提案する種目を決定する。
(写真:会議の座長を務めた御手洗氏)
 終了予定時刻が過ぎても、会議室の扉が開けられることはなかった。開催都市がIOCに提案できる追加種目を検討する会議「東京2020 種目追加検討会議」は、日本経済団体連合会名誉会長の御手洗富士夫座長、組織委事務総長の武藤敏郎座長補佐ら7人のメンバーで構成されている。オブザーバーとして組織委の室伏広治スポーツディレクター、日本オリンピック委員会(JOC)の高橋尚子理事らが出席した。

 組織委の森喜朗会長も参加した会議は1時間20分で終了。来月のヒアリングへと進んだIFを発表後、御手洗座長は「いろいろな人の意見交換があった。反対はありませんでしたし、全員のコンセンサス(合意)で決まった」と“円満議決”を強調。予定時刻を20分過ぎたことは、メンバーへの情報開示などに時間を割いた結果だという。

 26団体から8団体へと絞られ、18団体がふるい落とされた。五輪競技へ生き残った8団体は、野球・ソフトボール、ボウリング、空手、ローラースポーツ、スポーツクライミング、スカッシュ、サーフィン、武術。一方で国技である相撲、100年ぶりの復帰を目指していた綱引き、2013年の追加競技候補に入っていたウェイクボード(今回は国際水上スキー&ウェイクボード連盟として応募)などは選考から漏れた。

 選考基準は今月8日のIOC理事会で決定した35の評価項目に加え、オリンピックムーブメントの推進や国民の機運向上などを踏まえて総合的に判断したという。武藤座長補佐は個々のIFについての評価は控えたが、「IFの体制を中心とするいくつかの判断基準。世界的普及度、活発な活動がなされているか、男女平等であるか。加えて東京2020が作った3つの基本原則。特に若者の支持と、大会が盛り上がるかどうか。これをひとつひとつ評価していった結論」と選考理由を述べた。

 昨年12月に採択されたIOCの中長期改革である「五輪アジェンダ2020」で実施競技枠28を撤廃し、出場選手約1万500人で約310種目を上限とすることを決めていた。武藤座長補佐によれば「IOCは追加種目をそれとは別に考えている。310にこだわることはない」という。今後、追加種目を選定する上で競技や種目数を限定しない見通しを明らかにした。

<1次選考を通過した競技団体>
世界野球ソフトボール連合
世界ボウリング連盟
世界空手連盟
国際ローラースポーツ連盟
国際スポーツクライミング連盟
世界スカッシュ連盟
国際サーフィン連盟
国際武術連盟

(文・写真/杉浦泰介)