世界野球ソフトボール連盟(WBSC)は22日、11月に日本と台湾で初開催される国際大会「プレミア12」の日程を発表した。世界ランキング1位の日本は、米国(同2位)、ドミニカ共和国(6位)、韓国(8位)、ベネズエラ(10位)、メキシコ(12位)と同組で、11月8日に札幌ドームで韓国との開幕戦を行う。その後、台湾に渡り、メキシコ(11日)、ドミニカ(12日)、米国(14日)、ベネズエラ(15日)の順に対戦する。16日からスタートする決勝トーナメントに進出するのは上位4カ国。都内の野球殿堂博物館で会見に臨んだ日本プロ野球組織(NPB)の熊崎勝彦コミッショナーは「何が何でも優勝しなくてはいけない大会。12球団が結束してトップオブトップのチームジャパンをつくる」と力を込めた。
(写真:「日本の野球力を世界に見せつける大会」と意気込む(右から)熊崎コミッショナー、小久保監督、侍ジャパンの王特別顧問)
「日程も相手もタフな戦いになる」
 日程発表を受け、小久保裕紀監督は表情を引き締めた。開幕の日韓戦は、日本シリーズが第7戦(11月1日)までもつれこめば準備期間は1週間しかない。監督が指摘したように「コンディションをどうするか」が本番への重要ポイントになる。

 また今回はWBCのようにピッチャーに対する球数制限ルールがない。指揮官は「先発の人選がカギを握る。中継ぎも専門職に入ってもらう」と語った。チーム編成も「ベテラン、中堅、若手とバランスを重視した人選を考えている」と“最強布陣”で挑む方針を明らかにした。

 NPBも「最強チームの体制づくり」の一環として「侍ジャパンロースター制度」を導入する。これまでは試合や大会ごとに侍ジャパンの陣容を発表してきたが、今後は常にロースター選手を登録し、選手やファンに代表をメンバーを“可視化”する。7月には候補選手を選考し、9月をメドに第1次ロースター45名を発表する予定だ。
 
 会見に同席した侍ジャパンの王貞治特別顧問は「野球は日本の国技。プレッシャーはあると思うが普段の野球をやってくれれば絶対勝てる」と期待を寄せる。そして選手たちに「こういう舞台でより頑張ってもらえれば技術が上がる。自分にとってプラスと考えてレベルを上げてほしい」と呼びかけた。

 この日、2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会の追加種目検討会議で、野球はソフトボールとともに1次選考を通過した。五輪での復活へ熊崎コミッショナーは「プレミア12で野球の素晴らしさ、力を内外にお見せできる。五輪に向けての意味もある」と大会を位置づける。小久保監督は「大きなプレッシャーがかけられているが、勝って期待に応えたい」と力強く宣言した。

<プレミア12、主な日程>

予選リーグ
11月8日(日) 日本−韓国(札幌ドーム)
11月11日(水) 日本−メキシコ(台湾・天母)
11月12日(木) ドミニカー日本(台湾・桃園)
11月14日(土) 米国−日本(台湾・桃園)
11月15日(日) 日本−ベネズエラ(台湾・桃園)

決勝トーナメント
11月16日(月) 準々決勝(台湾)
11月19日(木)、20日(金) 準決勝(東京ドーム)
11月21日(土) 決勝、3位決定戦(東京ドーム)