日本ラグビー協会は29日、9月に開幕するW杯イングランド大会に向けた日本代表第3次候補選手39名を発表した。3月に発表した第2次代表候補から、スーパーラグビーに参戦していたNo.8リーチ・マイケル(東芝)、SH田中史朗(パナソニック)ら6名が加わり、故障のため、SH矢富勇毅(ヤマハ発動機)、PR長江有祐(豊田自動織機)などがリストから外れた。今回のメンバーはスーパーリーグ参戦の一部の選手、負傷中の選手を除き、7月6日からの宮崎合宿に参加。同18日から北米で開催されるパシフィック・ネーションズカップ(PNC)に出場する。
(写真:「スクラムがW杯では中心になる。スクラムには時間をかけている」と強化テーマを掲げるジョーンズHC)
「W杯へ次のステージに進んだ」
 エディー・ジョーンズヘッドコーチ(HC)は開口一番、力強く宣言した。6月1日から26日まで宮崎で行われた合宿では、指揮官は「ストレングス、スピード、FWの仕事量、ボールを持っていない時の仕事量が上がった」とチームのレベルアップに手応えを口にする。

 W杯初戦(9月19日)の南アフリカ戦まで残り3カ月。カナダ、米国、フィジーと戦うPNCをジョーンズHCは「W杯への予行演習」と位置づける。「チームを成長させるためのいい機会、W杯への戦略を試すいい機会、ポジション争いのための機会にしたい」と実戦でさらなるチーム力向上を求める考えだ。

 大柄の選手が多いカナダは仮想・南アフリカ、フィジーは同じ南太平洋の仮想サモアと指揮官はとらえている。W杯本番でも対戦する米国には「ポーカーをやるような感じになる」と手の内を明かさない方針を示した。

 PNCが終わると、W杯に出場する最終スコッド31名に絞り込む作業に入る。ジョーンズHCは「現状とこれまでの実績、これからどれだけ伸びるかを考慮していきたい」と選考基準について語った。また、「W杯は毎試合ベストチームをつくる。3、4名は試合に出ない可能性がある」と、出場機会が少ない控えメンバーは「チームメイトをサポートしてくれる選手、環境を良くしてくれる選手」とチームへの貢献度も加味して選定する意向だ。

「成長具合には満足している。だが、競走馬を走らせるのと一緒。練習ではいい走りをみせても、レースになったら状況は違う。まだわからない。だからこそ、このPNCが大事な試合になる」
 ジョーンズHCは9月の本番へ選手たちにムチを入れ、世界と戦える集団に調教していく。

<代表スコッド39名>

FW
アイブス・ジャスティン(キャノン)、伊藤鐘史(神戸製鋼)、稲垣啓太(パナソニック)、宇佐美和彦(キャノン)、大野均(東芝)、垣永真之介(サントリー)、木津武士(神戸製鋼)、ツイ・ヘンドリック(サントリー)、トンプソン・ルーク(近鉄)、畠山健介(サントリー) 、平島久照(神戸製鋼)、マイケル・ブロードハースト(リコー)、ヘイデン・ホップグッド(現時点で無所属)、ホラニ龍コリニアシ(パナソニック)、堀江翔太(パナソニック)、真壁伸弥(サントリー)、三上正貴(東芝)、村田毅(NEC)、山下裕史(神戸製鋼)、湯原祐希(東芝)、リーチ・マイケル(東芝)

BK
クレイグ・ウィング(神戸製鋼)、内田啓介(パナソニック)、小野晃征(サントリー)、五郎丸歩(ヤマハ発動機)、立川理道(クボタ)、田中史朗(パナソニック)、田村優(NEC)、廣瀬俊朗(東芝)、日和佐篤(サントリー)、福岡堅樹(筑波大)、藤田慶和(早大)、カーン・ヘスケス(宗像サニックス)、 ティム・ベネット(キャノン)、松島幸太朗(サントリー)、山田章仁(パナソニック)、山中亮平(神戸製鋼)

負傷選手
アマナキ・レレィ・マフィ(NTTコミュニケーションズ)、マレ・サウ(ヤマハ発動機)