ワールドラグビーのW杯統括責任者、アラン・ギルビン氏が10日、日本で開催される2019年大会の準備状況などに関する報告を踏まえ、東京・秩父宮ラグビー場で会見を開いた。8日に来日したギルビン氏は日本の組織委とミーティングを実施。「2019年への準備は前倒しで進んでいる。2020年の東京五輪開催が決まって、相乗効果で進んでいる」との印象を語った。
(写真:「日本、アジア、そして世界中にラグビーの祝福を」と自ら書いたメッセージボードとともに記念撮影に応じるギルピン氏)
 会見では開幕の日本戦と決勝が行われる新国立競技場の計画変更を巡って記者から質問が出た。ギルピン氏は組織委や、同競技場を管理・運営する日本スポーツ振興センターから説明を受けたことを明かし、「どの会場も変更が伴うのはつきもの」と理解を示した。

 その上で、この9月に開幕するイングランドW杯でも、まだ工事中の会場がある点に触れ、「新しい競技場をつくることは新しいチャレンジでもある。日本で開催される12会場が素晴らしい会場になると確信している」と不安がないことを強調した。

 また同様に、これからスタジアム建設に着手する岩手県釜石市の会場についても「W杯のゲームを行うのに必要なものを落としこんで滞りなくできることを信じている」と心配していない様子。1月に現地を訪問した際には、温かい歓迎に「心を打たれた」と振り返り、「釜石の復興に貢献できる大会になる」と好感触を口にした。

 ギルピン氏によると、秋のイングランド大会では既に200万枚のチケットが販売されており、英国全体では10億ポンド(1900億円)以上の経済効果が見込まれているという。主催するワールドラグビーの収入も「記録的な金額になる」と、大会成功に自信をのぞかせた。