スポーツ用品メーカーadidasの新作フットボールスパイク「X」と「ACE」が一般発売されるのに先駆け、記念イベントが30日、東京・両国国技館で開催された。「adidas New Football Summit」と題されたPRイベントでは、中村俊輔(横浜FM)、香川真司(ドルトムント)、宇佐美貴史(G大阪)、柴崎岳(鹿島)ら現役のトップクラス16選手が登場。ゲームを支配するプレーメーカー用に開発された「ACE」を履いた中村は、「包み込まれているような感じ。アッパーのところが柔らかくて反発性もあるので、僕のプレーの幅を広げてくれる」と感想を語った。
(写真:マインツに移籍する武藤(右)をモデルに、「X」を紹介する浦和・槙野)
 またイベントではモダンフットボールの新たなトレンドについて、元日本代表監督の岡田武史氏、FC東京や甲府で指揮を執った城福浩氏、昨季限りで引退した元日本代表の中田浩二氏、W杯2大会連続でレフェリーとして試合を裁いた西村雄一氏、当サイト編集長の二宮清純が語り合う企画も行われた。

 岡田氏は「戦術が浸透して、いろんなチームが組織化されてくる。そんな時に必要なのが違いを出せる選手。それを抑えようと、世界の守備はマンツーマンではなく、マンマーク気味になってくる」と今後のサッカースタイルの変化を予測。城福氏は「ただ慌ただしいのではなく、判断とプレーのスピード感が求められるはず」と、選手の能力として必要な要素をあげた。

 この議論を受け、現役プレーヤーの宇佐美は「組織を破壊するのは個の力しかない。個性を追求して一撃で試合を決めてしまうようなのが一番」とさらなるレベルアップを誓った。また柴崎も「今は突出した選手が求められている。前線の選手だけでなく、GKもDFも秀でているものを言い切れるような選手が必要」と個の力の重要性を強調した。

 選手のプレータイプを2つに分け、デザイン、機能性ともに従来のスタイルを一新したモデルの「X」と「ACE」は7月1日より、全世界で発売される。