日本サッカー協会は23日、8月に開催されるEAFF東アジアカップ2015に臨む日本代表23名を発表した。今回は国内組のみの編成で、6月のロシアW杯予選のメンバーからFW宇佐美貴史(ガンバ大阪)、MF柴崎岳(鹿島アントラーズ)、槙野智章(浦和レッズ)らが選ばれた。初招集はリオデジャネイロ五輪を目指すU-22代表主将の遠藤航(湘南ベルマーレ)、浦和レッズのファーストステージ優勝に貢献した武藤雄樹など4名。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「国内組にはいいテスト。彼らの価値、能力を見せる日が来ている」と新戦力の台頭を望んだ。
(写真:立ちあがってメンバーを1名ずつ紹介し、約1時間、熱弁を振るったハリルホジッチ監督)
「新たな選手を発見したい」
 Jリーガーだけで出場する大会、指揮官は勝利を目指しつつも、選手見極めの場とする考えだ。代表メンバーは29日にJリーグの試合を行った後、30日に開催地の中国・武漢に渡り、8月2日に初戦の北朝鮮戦を迎える。その後も中2日で韓国(5日)、中3日で中国(9日)と戦う。暑い夏場にはタフな過密日程だ。

「多くの選手を使わないといけない。1人で3試合出るのは難しい。多くの選手がチャンスをつかむことになる」
 ハリルホジッチ監督は、3パターンのシステムを用意し、メンバーを入れ替えながら試合に臨むプランを明かした。

 とりわけ、指揮官は「一番の課題は点を獲る選手を見つけること」と繰り返し強調した。6月のロシアW杯アジア2次予選のシンガポール戦では、23本のシュートを放ちながら、スコアレスドロー。決定力不足が改めて露呈した結果となった。

 そこで今回は、「FWが多い」と監督自身が認めるように、FW登録選手を6名選出。初選出の倉田秋(ガンバ大阪)や、U-22代表の浅野拓磨(サンフレッチェ広島)とフレッシュな選手もリストに入れた。

「倉田はフォワード面でかなり運動量がある」
「浅野は得点を獲れる選手。速いし、(DFの)背後を探せる」
 ハリルホジッチ監督は2人をこう評し、アピールに期待を寄せた。

「アウェーの環境で勇気、決断、野心を見せつけないといけない」
 指揮官は強い口調で選んだ選手たちに要求した。2年前の前回大会でも日本は国内組で参加し、初優勝。日本サッカー協会の霜田正浩技術委員長が語ったように「この大会で活躍した選手が翌年のブラジルW杯のメンバーに入った」という実績もある。連覇を狙う過程で、監督の求める水準に達する存在が何人現れるのか。海外組も加わる9月のW杯予選カンボジア戦へ灼熱のサバイバルゲームが繰り広げられそうだ。

【日本代表メンバー】

GK
東口順昭(ガンバ大阪)
西川周作(浦和レッズ)
権田修一(FC東京)

DF
水本裕貴(サンフレッチェ広島)
丹羽大輝(ガンバ大阪)
槙野智章(浦和レッズ)
森重真人(FC東京)
太田宏介(FC東京)
米倉恒貴(ガンバ大阪)※
藤春廣輝(ガンバ大阪)
遠藤航(湘南ベルマーレ)※

MF
柏木陽介(浦和レッズ)
武藤雄樹(浦和レッズ)※
山口蛍(セレッソ大阪)
米本拓司(FC東京)
谷口彰悟(川崎フロンターレ)
柴崎岳(鹿島アントラーズ)

FW
興梠慎三(浦和レッズ)
倉田秋(ガンバ大阪)※
永井謙佑(名古屋グランパス)
川又堅碁(名古屋グランパス)
宇佐美貴史(ガンバ大阪)
浅野拓磨(サンフレッチェ広島)

※は初招集