EAFF東アジアカップは5日、中国・武漢で日本代表(FIFAランキング50位)が韓国代表(同52位)と対戦した。北朝鮮戦からスタメンを5人入れ替えた日本だが、韓国に押し込まれるシーンが目立つ。前半27分にはPKを献上して先制を許した。しかし、39分にMF山口蛍のミドルシュートで同点に追いつき、試合を折り返す。日本は後半も劣勢が続き、失点こそ防いだものの、勝ち越し点を奪えず、引き分けた。2試合で1分1敗となった日本は連覇の可能性が消えた。

 山口、代表初ゴールも実らず(武漢)
日本代表 1−1 韓国代表
【得点】
[日本] 山口蛍(39分)
[韓国] チャン・ヒョンス(27分)
「妥当な結果だったと思う」
 アジア最大のライバルとのドローをヴァイッド・ハリルホジッチ監督は冷静に受け止めた。

「今日はDF面に関しては前戦よりもいい状態だった」
 指揮官が振り返ったように、日本は守りでは韓国にボールを持たれる時間帯が多かったものの、ブロックをつくり、失点を1点にとどめた。ボランチの山口も「苦しい時間がすごく長かったですけど、みんなでオーガナイズをしっかりして守れていた」と守備には一定の手応えを口にした。

 失点したのは27分、韓国の右からのクロスボールに競り合った際に、DF森重真人が痛恨のハンド。PKを与えてしまう。これをMFチャン・ヒョンスに決められた。

 だが、日本は39分に追いつく。FKからのこぼれ球を代表初出場のMF倉田秋が左サイドから中央でフリーの山口にパス。「シュートを打っていけと監督から言われていた」という山口が右足を振り抜くと、ボールはゴール左に突き刺さった。前半は1−1で終了する。

 後半は立ち上がりから互いにセットプレーからチャンスをつくる展開。23分には、相手の左サイドからのFKをヘディングで折り返され、MFイ・ジェソンに頭で合わされる。ヒヤリとした場面だったが、シュートはクロスバーを叩き、事なきを得る。イ・ジェソンは28分には強烈なミドルシュートを放ち、日本ゴールを脅かした。

 韓国が主導権を握る展開に、ハリルホジッチ監督はFW宇佐美貴史、FW川又堅碁と攻撃の選手を投入。流れを変えて挽回を図ったが、決定的なシーンはつくれなかった。

 スタメンでフル出場したMF柴崎岳は「カウンターの精度を高めないといけない。もっと人が湧いて出てくるような運動量も必要」と攻撃面での課題をあげる。国内組のみで挑んだ大会は2戦を終えて白星なし。1試合を残して連覇が消滅した。指揮官は「代表定着に向けてもっとトレーニングをしてほしい」と選手たちに奮起を促した。日本は9日に中国代表と最終戦を行う。