6日、日本陸上競技連盟は22日に開幕する世界選手権北京大会の日本代表選手団結団式を東京・スカイツリーイーストタワーで行った。日本選手団は前回のモスクワ大会の「メダル1、入賞7」を上回る「メダル2、入賞6」を目指す。式典には男子選手28名、女子選手4名が出席した。男子の主将には2大会連続3回目の出場となる短距離の藤光謙司(ゼンリン)が初選出。女子は4大会連続出場のやり投げ・海老原有希(スズキ浜松AC)が2大会連続で任された。現時点で男子32名、女子12名が計44名が代表に決定。最年少は短距離のサニブラウン・アブデル・ハキーム(城西大城西高)の16歳5カ月で、レースに出場すれば、日本選手史上最年少となる。今後、リレー3種目(男女1600メートルリレー、女子400メートルリレー)は出場権の獲得次第で、メンバー追加の可能性もある。
 決戦まで、約2週間。結団式に臨んだ日本陸連の横川浩会長は、冒頭の挨拶で「素晴らしい代表団をつくることができた」と44名の精鋭に胸を張った。団長を務める尾縣貢専務理事は「臆せず世界にチャレンジしてください」と選手たちにエールを送った。監督は原田康弘強化委員長。「チームジャパンとして、一丸となって“メダル2、入賞6”という目標に向かって、多くのファンに感動を与えられる戦いをしたい」と決意を語った。

 選手団をまとめる男女の主将には、今季好調の藤光と前回大会も主将を経験した海老原に決まった。海老原はロンドン五輪も合わせれば、世界大会3連続で主将を任されている。しかし、大会は2大会連続での予選落ち。「何もできなかった。結果で返す」とリベンジに燃えている。「入賞が絶対」と8位以内を自らのノルマに課した。

 一方、男子の藤光は「今まで先輩たちの胸を借りていたが、今回は貸す立場。気を引き締め、自覚をもってやっていきたい」と初の大役の抱負を語る。個人種目では3大会ぶりに出場。「すごく楽しみな大会。個人でファイナルを目指せる準備はできた」と自信をみなぎらせた。

 世界ユース選手権2冠により、代表権を掴み取り、注目の高まっているサニブラウンは「初の海外シニア。すごい選手がそろっている。ワクワクが止まらない」と大会を待ちきれない様子。「目標はベストに近い走り。1本でも多く走りたい」と語った。

 大会は22日に開幕し、30日までの9日間、行われる。会場となる北京国家体育場は、北京五輪で日本が男子400メートルリレーで銅メダルを獲得した競技場だ。リオデジャネイロ五輪に向けた試金石となる大会。通称“鳥の巣”を舞台に世界へと羽ばたく選手の誕生に期待したい。

(文・写真/杉浦泰介)