垣原賢人、「病を必ず克服する」とリング上で決意 ~応援大会「Moving On」~
悪性リンパ腫で闘病中の元プロレスラー垣原賢人氏を応援する大会「Moving On 〜カッキーエイド〜」が18日、東京・後楽園ホールで開催された。イベントには主催したカッキー応援隊の山崎一夫氏の呼びかけの下、船木誠勝、鈴木みのる、冨宅飛駈、高山善廣らUWFやUWFインターナショナル時代の同僚が集結。垣原氏にパワーを送るべく、熱い闘いを繰り広げた。大会のラストには垣原氏本人もリングに登場。「僕の体の中に潜んでいる悪性リンパ腫はしつこく、長い長い戦いになります。でも、僕は絶対に負けません」とがんに打ち克つ決意を表明した。
(写真:長男のつくし君(左)、長女の綾乃さん(右)とともに支援に感謝の思いを述べる垣原氏)
後楽園ホールが「カキハラコール」に包まれた。
この日のメインを飾ったのは垣原賢人推薦試合と題された、船木、鈴木組と冨宅、長井満也組によるタッグマッチだ。UWFでは船木、鈴木は垣原氏の先輩にあたり、冨宅、長井は同期。当時を知るファンには感慨深い顔合わせとなった。
試合は垣原氏の長女でアイドルグループ「バクステ外神田一丁目」のメンバーでもある綾乃さんがリングアナウンサーを務め、選手をコール。ゴングが鳴ると、互いが持ち味を出して観客を沸かせる。
勢い余って場外乱闘になると、鈴木が冨宅を羽交い絞めにして、リング下にいた綾乃さんのところへ。綾乃さんが垣原氏の得意技でもあった“マシンガン掌底”を繰り出し、試合を盛り上げた。 最後は鈴木が冨宅との張り手の応酬を制し、ゴッチ式パイルドライバーを決める(写真)。そのまま肩エビ固めで3カウントを聞かせ、UWFの先輩が意地をみせた格好となった。熱戦を終え、マイクをとった鈴木は「何でこいつらと戦ったのか、何で船木と組んだのか。こいつに、明日生きる力を与えるためだ」と場内に語りかけ、船木が「垣原賢人、入場!」と本人を呼び込む。
抗がん剤の影響で免疫力が低下しているため、マスク姿での登場となった垣原氏はファンからの大声援に感極まった表情。「皆さんの応援のおかげで、ここに戻ってくることができました」と支援への感謝を伝えると、「この病を必ず克服します。そして、同じ病で苦しんでいる人たちの希望の光になります」と力強く宣言した。 イベントではUWFの中心メンバーだった前田日明氏も挨拶。「毎日毎日、普通の人間なら1日、1時間で逃げ出すような練習をやっていた」と入門当時の垣原氏を評し、「レスラーはガンとかでは死にません。ガンぐらいでオタオタするんじゃない!」と熱いエールを送った。またUインターの社長だった高田延彦氏、がんを克服した小橋建太氏、新日本プロレスの獣神サンダー・ライガー、中西学からも応援メッセージが寄せられた。
(写真:セミファイナルでは高山が金原弘光と組み、伊藤崇文、川村亮組にKO勝ちした)
垣原氏を支えようとするレスラーや観客の熱気にあふれた大会を終え、本人は「調子は上がってきている」と現在の病状を報告した。抗がん剤治療はあと2年ほど継続していく必要があり、東洋医学や食事療法なども取り入れて病気と立ち向かっている。控室では前田氏からも治療についてアドバイスを受けたといい、「有効な治療法があれば、取り組んでいきたい」と語った。
目標は現役復帰して、もう一度、リングに上がること。「Moving On」のイベントタイトルのごとく、垣原氏はこれからも前向きに闘いを続けていく。
>>垣原氏、初の著書『Uの青春 カッキーの闘いはまだ終わらない』(廣済堂出版)も出版。詳細はこちら