26日、西武の石井貴投手とヤクルトの鈴木健内野手が今シーズン限りで現役を引退することを発表した。
 石井は球団側から戦力外通告を受けたことによるもので、自ら引退の意思を伝えたという。

 1993年、逆指名のドラフト1位で三菱日重工横浜から西武に入団した石井は、99年には自己最多の13勝をあげるなど先発の柱として西武の黄金期を支えた。2002年に右肩を痛めて苦しんだが、04年の中日との日本シリーズでは2勝をあげてMVPを獲得。昨年は貴重な中継ぎとしてチームに貢献した。

 だが、今シーズンは7月31日に1軍昇格したものの、わずか7試合に登板しただけにとどまり、8月26日には登録抹消されている。チームも25日現在5位・東北楽天とは1ゲーム差の4位で26年連続Aクラス入りが絶望的な状態に陥っている。

 そのため、球団は来季は若手投手を中心のチームづくりを考えており、石井に戦力構想から外れていることを通告。「40歳現役宣言」をしていた石井だったが、36歳でユニホームを脱ぐことを決めた。通算成績は68勝58敗13セーブ、防御率3.76。今後は何らかのかたちで球団に残る予定だという。

 石井はグッドウィルでの最終戦、28日の日本ハム戦で引退登板に臨み、14年間にわたるプロ生活に別れを告げる。

 一方、石井とは02年までチームメイトだった鈴木も、この日正式に引退を発表した。今シーズン、25試合で2安打とふるわず、7月27日以来、2軍生活が続いていた。

 浦和学院時代には通算83本塁打を放ち、注目のスラッガーとして87年、ドラフト1位で西武に入団。90年代後半には清原和博(オリックス)の後継者として4番に座り、チームに貢献した。03年にヤクルトへ移籍すると、20本塁打を放ちカムバック賞を獲得。

 しかし、近年は持病の腰痛などにより思うようなバッティングができず、現役続行を断念した。プロ20年間での通算成績は1445安打、189本塁打、797打点。