3歳クラシックの最終戦となる第81回菊花賞(G1・芝3000m)が25日、京都競馬場で行われ、単勝1番人気のコントレイル(福永祐一騎手)が3分5秒5でレースを制した。コントレイルは皐月賞、日本ダービーも制しており、2011年のオルフェーヴル以来、史上8頭目の3冠馬となった。また無敗での3冠制覇は、2005年のディープインパクト以来、史上3頭目の快挙だった。

 

 単勝1.1倍という絶大なる支持を得てのレース。コントレイルは、4番人気のアリストテレス(クリストフ・ルメール騎手)との直線の叩き合いをクビ差で制した。

 

「思っていた以上に接戦になりました。相手の脚色も良かったので、“なんとかしのいでくれ”と思ったが、最後まで抜かせなかった。改めてすごい馬だと思いました」

 コントレイルの7戦中6戦に騎乗している福永がそうレースを振り返った。

 

 唯一の不安材料と言えたのが適性距離である。好スタートを切り、道中は中団につけた。最後の直線で抜け出し、アリストテレスと競り合った。「3000mは彼にとって長い距離。ベストパフォーマンスを発揮できたわけではないですが、それでも勝ち切ったことが素晴らしい」と福永はコントレイルを称えた。

 

 3冠馬はセントライト(1941年)、シンザン(64年)、ミスターシービー(83年)、シンボリルドルフ(84年)、ナリタブライアン(94年)、ディープインパクト(2005年)、オルフェーヴル(11年)に続く8頭目だ。デビューから無敗での3冠はシンボリルドルフとディープインパクト以来、史上3頭目。父子揃っての3冠は初の快挙である。

 

 福永個人としては3歳クラシック10勝目で、保田隆芳氏、岡部幸雄氏、武豊に続く4人目の快挙だ。43歳10カ月17日で最年長3冠ジョッキーとなった。「馬がもたらしてくれた勲章」(福永)。“3歳最強馬”の称号を手にしたコントレイルと、どういった道を歩むのか。

 

「次は古馬相手の戦い。ここからがスタートだと思っています。日本で一番強い馬という称号を勝ち得るため、一緒に頑張っていきたい」

 福永の言う“日本で一番強い馬”の称号を手にした後、父が成し遂げられなかった凱旋門賞(フランスG1)に挑むかにも注目が集まる。

 

(文/杉浦泰介)