バスケットボール女子日本代表が再始動だ。2020年度日本代表候補21人による強化合宿を5日からスタートしている。トム・ホーバスHCは今回の合宿の位置付けを「トライアウト」と話し、東京オリンピックに向けた新戦力をテストする意向を示した。合宿は東京・味の素ナショナルトレーニングセンターで15日まで行われる。

 

 今年2月にベルギーで開催された「FIBA 東京 2020 オリンピック予選大会」に出場して以来、約9カ月ぶりの代表活動である。3月には東京オリンピックの延期が決定。強化スケジュールも見直しされることとなった。リオデジャネイロオリンピックの主力である代表復帰を果たしていたC大崎佑佳は引退、PG吉田亜沙美も進退が微妙な状況だ。

 

 ホーバスHCも「シューター、バックアップのポイントガード、ビッグマンを探している。みんながトライアウトモードです」と口にしたように、今回の合宿は新戦力を見極める機会でもある。

 

 8月に発表した東京オリンピックを見据えた2020年度の日本代表候補21人から新たにWリーグで活躍を見せているPG宮崎早織(ENEOSサンフラワーズ)、PG小池遥(シャンソン化粧品シャンソンVマジック)、PG梅木千夏(アイシン・エィ・ダブリュウィングス)、SG水野妃奈乃(シャンソン化粧品シャンソンVマジック)、SG内野智香英(富士通レッドウェーブ)、SG東藤なな子(トヨタ紡織サンシャインラビッツ)、PF小菅由香(三菱電機コアラーズ)、C梅沢カディシャ樹奈(ENEOSサンフラワーズ)8人を加えた。メンバーの平均年齢は24.9歳とさらに若返った。

 

 今回の合宿には21人が参加した。新戦力についてホーバスHCは「小池、水野、内野、小菅の4人は良いバスケをしている。チャンスはある」と評価した。キャプテンのC髙田真希(デンソーアイリス)は「新しい選手とのコミュニケーションも私の役割。練習外でもスムーズにできるようにしたい」と話し、PF渡嘉敷来夢(ENEOSサンフラワーズ)は「若い選手、初めての選手が多い。経験している人たちが教える機会も多い。私たちとしてもチームのバスケットを確認できる」と語った。

 

 FIBA(国際バスケットボール連盟)の世界ランキング10位の日本は東京オリンピックで金メダルという高い目標を掲げている。ホーバスHCも「目標は変わっていない」と言い切った。「やるべきことをやり続けたい」と髙田。今回の合宿を終えると、チームに戻り、皇后杯全日本バスケットボール選手権大会とWリーグを戦う。そして2月に再び合宿を行う予定だ。再始動した女子日本代表。1年の延期をどのように生かすのか。

 

(文/杉浦泰介)