23日、ラグビーの関東大学対抗戦Aグループが東京・秩父宮ラグビー場で行われ、早稲田大学が慶應義塾大学を22-11で下した。これで早大は6連勝。単独トップをキープし、次節(12月6日)の明治大学との試合で勝つか引き分けるかで、2年ぶりの優勝が決まる。

 

 伝統の早慶戦は早大が制し、2年ぶり24度目の対抗戦優勝に大きく近付いた。

 

 ここまで早大は青山学院大学、立教大学、日本体育大学、帝京大学、筑波大学を相手に5連勝。一方の慶大は筑波大との初戦を落としたものの、明大に逆転勝ちを収めるなど4連勝と巻き返してきていた。

 

 先制したのは慶大だ。9分、早大のノットロールアウェイの反則で得たPGをFB山田響(1年)が冷静に左足で決めた。早大に自陣まで攻め込まれたが、序盤は持ち味の激しいタックルでゴールラインは割らせなかった。

 

 慶大の粘り強いディフェンスに苦しんだが、早大は21分にSO吉村紘(2年)のトライで逆転に成功した。34分にはFB河瀬諒介(3年)のパスからWTB槇瑛人(2年)がインゴール右隅に飛び込んだ。難しい角度からの吉村のコンバージョンキックが決まり、12-3とリードした。

 

 早大は慶大にPGで3点を返され、12-6でハーフタイムを迎えた。後半16分にPGで再び9点差にリードを広げた。しかし、19分にはラインアウトからのモールで慶大にトライを許し、15-11と4点差に迫られた。

 

 それでも早大は連続攻撃で敵陣に迫る。タイガージャージーの防波堤を崩せずにいたが、26分に河瀬がこじ開けた。右サイドでボールを持つと、1人目のタックルを切り、2人目のディフェンスは弾き飛ばした。最後はインゴール右に片手一本で叩き込んだ。

 

「ボールキャリーが魅力。こじ開けてスコアできる彼の良さが出た」と相良南海夫監督。前節はSOを任された万能BKが価値あるトライを挙げた。吉村がコンバージョンキックを成功し、22-11と2ケタ点差を付けた。

 

 早大は慶大の反撃を、キャプテンでNo.8丸尾崇真(4年)を中心に耐え抜いた。丸尾は「ディフェンスが我慢し続けられた。慶應義塾大学はプレッシャーが強い。負けじと戦った結果」と胸を張った。22-11でノーサイド。開幕からの連勝を6に伸ばし、勝ち点を24に積み上げた。

 

 次節は約2週間後の早明戦。1敗の明大に対し、無敗の早大は引き分け以上で優勝が決まる。負ければ勝ち点24で並ぶものの、当該チームの対戦成績で2位に陥落する。相良監督は「まだまだ成長過程。いい準備をして、持てる力をぶつけたい」と語った。

 

(文/杉浦泰介)