(写真:今季は副キャプテン兼オフコートキャプテンとしてチームを牽引 ⓒLEVANGA HOKKAIDO)

 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、1月15、16日に茨城・アダストリアみとアリーナで開催予定だったB.LEAGUEオールスターは中止となった。そんな中、選手たちはオンラインやSNSを駆使して、交流を図っている。昨年4月、Bリーガー初(※)のオンラインサロンを開設したレバンガ北海道の多嶋朝飛に話を聞いた。

 

――今季のオールスターは中止となってしまいましたが、昨季は地元北海道でのオールスターに出場しました。

多嶋朝飛: 初めてのオールスターが地元開催。ダブルでうれしい気持ちでした。今、思い返せば、当時はお客さんを満員に入れてできるギリギリの時期での開催でした。無事に開催できて良かった。またいつも戦っているホームアリーナの北海きたえーるとは違う雰囲気を味わうことができました。ファンの皆さんと楽しむ空間をつくれて、本当に貴重な経験でした。

 

――昨季オールスターゲーム本戦の前日に行われたコンテストでは、「スキルズチャレンジ」で優勝しました。

多嶋: 正直、初めての出場だったので、どういう空気感でやるものなのか全くわかりませんでした。本気を出すのがいいのか、笑いを取りにいった方がいいのか。僕は“せっかくやるんだったら、思い切ってプレーしよう”と決めました。その結果、ラッキーなことに優勝することができた。本戦同様、こちらもいい経験になりましたね。

 

(写真:勝負強さが持ち味。1月3日の信州戦、試合終了間際の得点でホーム2連勝を手繰り寄せた ⓒLEVANGA HOKKAIDO)

――コートでは自らのスキルをアピールしたい?

多嶋: どうですかね。僕はどちらかと言えば、地味なプレーヤー。派手なプレーやパフォーマンスが得意ではありません。魅せるようなプレーをするタイプではなくファンダメンタル(基本的なプレー)を大事にしている。僕のようにサイズが小さい(身長173cm)プレーヤーは、普通のことを当たり前のようにできることが重要なんです。いろいろなタイプの選手が活躍できるのがバスケットの良さだと思っています。僕は僕なりのバスケット観を出していきたい。

 

――昨年4月、オンラインサロンを開設されました。現役Bリーガーとしては異例のことに挑戦したきっかけは?

多嶋: クラブから打診があったのがきっかけです。話を聞いてからはオンラインサロンのことをたくさん調べました。僕自身、何かにチャレンジすることは嫌いではなかったので決断しました。クラブに協力してもらいながら4月1日からスタートしました。当初はホームゲームを活用したプロモーション、試合を中心としたコンテンツでの投稿や配信を考えていましたが、コロナの影響で昨季は途中でリーグが中止となり、難しいスタートになってしまいました。逆に内容を考えられるきっかけになり、最初は週3ぐらいでの投稿を考えていましたが、試合やイベントがないからこそ、投稿数を大事にしました。クラブの協力を得てほぼ毎日更新しています。

 

「素に近い自分を」

 

――実際にオンラインサロンを開始してみての感想は?

多嶋: 日々の投稿やライブ配信を通して、素に近い自分を見せられていると思います。サロンメンバーの方々と限定グッズや企画を考えたりもしています。サロンメンバー同士の関わり合いも増えてきているので、僕が目指すスタート地点には立ったと思っています。

 

――以前と比べ、ファンとの関わり方は変化しましたか?

多嶋: その意味では、僕が持つSNSとの使い分けが難しい部分はありますね。誰もが見られるSNSだと、僕自身、堅くなる部分もあります。遠回しな表現をすることがありますし、自分の気持ちをそのままストレートに発信することも難しい。オンラインサロンでは、日常を見せている。それを少しでも楽しんでいただいているならうれしいですね。

 

(写真:1月20日現在、全27試合に出場するなど今もチームに欠かせない存在だ ⓒLEVANGA HOKKAIDO)

――現役選手のオンラインサロン開設に否定的な声もあったとか?

多嶋: 僕個人に直接来たことはないですね。それよりも「オンラインサロンって何?」「何が違うの?」という質問を寄せられることが多い。仲の良い選手数人も興味を持ったらしく、「どうなの?」と聞かれることもありますね。僕個人としては、応援が目に見えるかたちで感じられることがありがたい。企画などイチからつくっていくことは大変ですが、いい経験になっていると思います。

 

――今後オンラインサロンでやってみたいことは?

多嶋: サロンメンバーの方々も望むならば、インターネット上だけではなく、コロナの状況が落ち着いたタイミングでオフ会をやってみたいです。直接会うことができれば、よりこのサロンを近くに感じてもらえると思っています。

 

――チームに目を向けると、レバンガ北海道は東地区最下位と苦戦しています。

多嶋: 点差を見れば、粘るゲームが少しずつ増えてきているものの、勝ち切れていない。チームを成熟させるため、自分たちがやっていることを継続していく必要があります。ひとつひとつ試合を積み重ね、自分たちのかたちを見つけ出し、構築していけるようにしたい。ひとつでも多くの方たちと勝ちを共有する場面を増やしていきたいと思います。

 

――今季はここまで途中出場での起用が続いています。

多嶋: ゲーム展開、メンバーの組み合わせによって僕の役割は変わってきます。流れの中で自分の良さを出し、それをチームに還元できるプレーヤーでいたい。臨機応変に役割を変えながら、自分の良さをチームに落とし込んでいければと思っています。

 

多嶋朝飛(たじま・あさひ)プロフィール>

1988年10月8日、北海道生まれ。ポジションはガード。北陸高校、東海大学を経て、11年にリンク栃木ブレックス(現・宇都宮ブレックス)と育成契約をした。栃木の下部組織TGI D-RISEでプレーした後、13年からレバンガ北海道に移籍。B.LEAGUE初年度から3シーズン、キャプテンを務めた。19-20シーズンより、クラブのスポンサー企業と協力して社会貢献活動「ASAHI8プロジェクト」を実施している。20年4月よりBリーガー初(※)のオンラインサロンを開設した。身長173cm、体重75kg。背番号8。

>>多嶋朝飛オンラインサロン「ASAHI TOWN」

 

※「Bリーガー初」とは、B.LEAGUEのB1、B2チームに所属している選手として初。レバンガ北海道調べ。

 

(写真:ⓒLEVANGA HOKKAIDO)

 

 BS11では「マイナビBe a booster! B.LEAGUEウィークリーハイライト」(毎週木曜22時~22時30分)を放送中です。次回の放送日は1月21日(木)。多嶋選手も出場したオールスターの「オンラインコンテスト」やBリーガーによる自撮り動画「Bチューブ」、また後半戦注目の「特別指定選手特集」など企画盛りだくさんでお届けします! 是非ご視聴ください。


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