(写真:1試合平均11.5得点を記録し、信州の攻撃を牽引している ©SHINSHU BRAVE WARRIORS)

 B1初挑戦の信州ブレイブウォリアーズは現在、西地区7位だ。ポイントガードの西山達哉ここまでの全37試合にスターターとして出場している。信州の記念すべきB1初勝利に貢献した32歳に話を聞いた。

 

――チームはB1昇格1年目。ここまでB1の壁は高いと感じていますか?

西山達哉: 半々ですね。通用できているなという部分もありますし、勝ち切れずB1クラブの強さを実感もしています。B2よりすごくタフなゲームが続いていると感じますね。

 

――失点の少なさは西地区2位。リーグ全体でも4位の数字です。守備での手応えは?

西山: 僕らはディフェンスを売りにしているチーム。どれだけ失点を抑えられるかを大事にしています。チームとして守備を徹底できれば、どんな相手にも負けない自信があります。

 

――開幕6連敗とスタートダッシュには失敗しました。

西山: 序盤は外国人選手が揃わなかったこともあり、なかなか勝てませんでした。負けた試合の中に内容が良かった試合もありました。負けが続いたのは苦しかったですが、そこまでネガティブにならずに戦えていたと思います。

 

――第4節、敵地で三遠ネオフェニックス戦を83対79で下し、B1初勝利をあげました。

西山: メチャメチャうれしかったですね。B1での1勝目。みんなで力を合わせ、勝ち取った白星でした。

 

――西山選手は6本のスリーポイントを決め、23得点5アシストと大活躍でした。

西山: この試合は1本目のスリーポイントが入り、“感覚が良いな”と感じていました。相手のディフェンスが下がっていたこともあり、スリーポイントシュートを打つチャンスが多かった。迷わず、思い切り打つことができました。

 

(写真:身長172cmと小柄だがアグレッシブなプレーで果敢に攻める ©SHINSHU BRAVE WARRIORS)

――B1初勝利の3日後、ホームで川崎ブレイブサンダースに72対66で勝ち、2連勝しました。

西山: これもまた格別の喜びでしたね。ホームでしたし、強豪の川崎相手を倒したことは自信になりました。

 

――西山選手自身もB1初挑戦ですが、個人で感じるB2との違いは?

西山: フィジカル面が絶対的に違いますね。当たりがより激しくなる。最初の試合では衝撃を受けましたね。身体の消耗度も昨シーズンとは比較にならないぐらいです。

 

――初のB1はタフな経験が続いていると?

西山: そうですね。僕自身、信州に入団するまで、まさかB1でプレーできるとは思ってもいませんでした。でも今はこの当たりに慣れていき、冷静にプレーできるようになれば、もっとバスケットがうまくなれると実感しています。B1で戦える自信も徐々についてきています。

 

 スリーポイントが持ち味

 

(写真:スリーポイント成功率は34.4%。「40%を超えないとシューターとは言えない」と自己採点 ©SHINSHU BRAVE WARRIORS)

――今季の目標は?

西山: チームとしては日本一を目標に掲げていますが、まずはチャンピオンシップに進むことですね。個人としては今季ターンオーバーを多いのが課題です。それを減らしていければチームの勝ちにも繋がると思っています。相手がどういうディフェンスをしてきても落ち着いてプレーすれば改善できるはずと考えています。

 

――今季のオールスターゲームは新型コロナウイルス感染拡大の影響により、中止となりました。西山選手が出場予定だったスリーポイントコンテストはオンラインで開催されました。15ポイントを獲得しましたが、惜しくも優勝には届きませんでした。スリーポイントに対するこだわりは強いですか?

西山: そうですね。得点のほとんどがスリーポイントなので、自分の持ち味だと思っています。1本でも多く決められれば、ファンの方から喜んでもらえる。僕の場合は成功率が低い試合でも打てるチャンスがあればどんどん打つ。打たなきゃ入らないし、とにかく打ち続けることを心掛けています。

 

――フリーになったら迷わない?

西山: そうですね。僕は積極的に打ちます。僕に限らず、チームはフリーになればスリーポイントをどんどん狙っていくスタイル。チーム全体としてスリーポイントの試投数が多い。僕も信州に来てから、今のスタイルに変わりました。

 

――調子の良し悪しは、ウォーミングアップ時点でのシュートタッチでわかりますか?

西山: 僕の場合は試合になってみないとわからないです。試合前の練習にはあまり影響されず、流れの中でのシュートじゃないと、その日の調子は測れません。

 

(写真:ポイントガードとしてゲームメイクを担当。「常に冷静にプレーすること」を課題に挙げる ©SHINSHU BRAVE WARRIORS)

――試合のファーストショットが成功すれば、そのまま乗っていくタイプの選手もいますね。

西山: やはり1本目が入ると、気持ち的にも楽になりますからね。逆に1本目を外すと、ズルズルいってしまうこともあります。やはり1本目が大事ですね。僕がスリーポイントシュートを打つシチュエーションは、ノーマークで狙うことが多い。タフショットも何本かありますが、チームメイトのサポートもあり、自分のタイミングで打てていると思います。

 

――32歳と遅咲きのB1デビューとなりました。バスケットに対する思いは、昔と今では変わってきました?

西山: 結果が求められますし、それ次第で給料も変わってきますから。今まで以上にプロとして誇りを持ってコートに立っています。

 

――西山選手のモチベーションの源は?

西山: 僕の場合は試合に勝って家に帰ると、子供が喜んでくれる。その姿を見ると本当にうれしいですし、エネルギーをもらえますね。

 

西山達哉(にしやま・たつや)プロフィール>

1988年7月20日、神奈川県生まれ。ポジションはガード。小学1年でバスケットボールを始める。能代工業高校、駒澤大学を経て、12年に横浜ギガスピリッツに入団。13年から東京エクセレンスで4シーズン、17年からはアースフレンズ東京Zで2シーズンプレーした。19年に信州ブレイブウォリアーズに移籍。チームのB1昇格に貢献した。身長172cm、体重72kg。背番号8。

 

(写真:©SHINSHU BRAVE WARRIORS)

 

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