2月1日、プロ野球のキャンプインに合わせ、野球界ではこの日が「正月」と言われています。私もセガサミー野球部の監督として2年目のシーズンを迎え、気合十分です。今シーズンも当コラム、そして社会人野球の各大会にてお目にかかりましょう。

 

 初夢は賞金1.5億円の新大会!?

 セガサミー野球部は昨年12月2日、都市対抗野球大会準決勝(対Honda)を終え、つかの間の休息の後、練習を再開しました。年内は12月25日まで活動し、年明けは1月5日から練習を開始。体力強化を中心にして順調にクールごとのメニューを消化しています。

 

 今年は例年行っていた宮崎でのキャンプは実施せず、ずっと東京にいます。1月中旬からはオープン戦も始まり、まずは4月のJABA四国大会を目指し、ギアを上げていきます。

 

 オフの間、セガサミーの会長や社長ともお目にかかりました。都市対抗3位、特に優勝候補のトヨタ自動車戦での勝利を喜んでいただけて、会社あっての社会人野球、今の御時世で野球をやらせてもらうのはとても幸せなことだと改めて感じました。その恩に報いるためにも今年も良い結果を残したいですね。

 

 都市対抗3位となりましたが、選手たちもさらに上を目指しています。そのためにはレベルアップが必要なことは、監督の私が言わなくてもわかっているようです。

 

 まあ、客観的に見ると都市対抗3位はできすぎという部分もありましたが、あの大会に出られたのは良い経験でした。トラックマンで様々なデータも見られましたし、選手個々に対し発見があり、修正点なども含め大きな収穫がありました。

 

 昨年は新型コロナウィルス感染拡大の影響で都市対抗以外の大会は中止になりました。JABA四国大会には去年も参加予定で、徳島で開催ということで四国アイランドリーグplus時代の知り合いや関係者との再会も楽しみでした。今年は無事に開催されることを祈っています。

 

 監督2年目のシーズン、選手たちには伸びしろを期待しています。特に昨年頑張ってくれた投手陣には今年も期待しています。草海光貴はベストナインに選ばれたように今シーズンも投手陣の中心として頑張ってくれるでしょう。ドラフト指名を逃した森井絃人は奮起して今秋のドラフトを目指してもらいたい。あと伸びしろのある若手投手も多く、昨年、良い仕事をしてくれた横田哲、陶久亮太、石垣永悟の中継ぎは安定感があるし、リハビリで投げられなかった氏家優悟、伊波友和の復帰も大きな補強だと思っています。

 

 野手では中川智裕はドラフトの目玉として注目される存在で、当たれば打球の速さは際立っています。根岸晃太郎、本間諒なども安定していますし、そこに他の選手も絡んでどんどん競争してほしいですね。

 

 キャッチャーは吉田高彰、須田凌平の2人が良い働きをしてくれました。都市対抗でもピッチャーとコミュニケーションをとり、各投手の良さを引き出していましたね。

 

 あとは……って、まあ、名前をあげっていったらキリがありません。全員が期待の選手ということですよ。私が見ている限り、選手たちに過信や慢心はないようです。現状維持ではダメなこともわかっているでしょうからね。

 

 野球界に限らずスポーツ界は新型コロナウィルスの影響で、無観客開催など大きなダメージを受けました。こうした状況でこそ改革が必要だと感じています。

 

 たとえば、こういう大会はどうでしょう。サッカーの天皇杯のようにプロ、アマ混在のトーナメントです。社会人8チームに大学4チームにNPB12球団を加えてトーナメントを実施。優勝賞金は1億5000万円。NPB相手に社会人や大学が勝つことがあれば、それこそジャイアントキリングで話題にもなるでしょう。社会人チームにとってはこのトーナメントに勝てば会社に還元することができます。言ってみれば社会人野球は会社におんぶに抱っこの状態ですから、こうした「賞金トーナメント」があれば、年に1度の親孝行ができるというものです。

 

 社会人、大学の計12チームといいましたが、四国ILやBCリーグの優勝チームが加わってもいい。コロナ禍でスポーツの収益化が難しくなってきた今、こういう大会ならスポンサーもつくはずです。コロナ、コロナでやられてばかりですが、こういう目先を変えた、新しいことをやってみてもいいんじゃないですかね。初夢じゃありませんけど、少しだけ美味しそうなモチの絵を描いてみました。いかがでしょう。

 

 最後にPL学園の後輩、桑田真澄が巨人にコーチとして迎え入れられましたことについて。正直、びっくりしましたよ。桑田は勉強家であり、野球の知識も豊富で経験もあります。ただ、巨人という組織の中で彼がどう機能するのか、それが楽しみですね。お手並み拝見、見守りたいと思っています。

 

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