第22回Wリーグ(バスケットボール日本女子リーグ)のレギュラーシーズン最終週の6試合が27日、神奈川・川崎市とどろきアリーナと愛知・スカイホール豊田で行われた。イースタンカンファレンスはシャンソン化粧品シャンソンVマジックが開幕14連勝中のENEOSサンフラワーズを82-69で破った。ENEOSは昨年10月4日の開幕戦(富士通レッドウェーブ)以来、1年4カ月ぶりの黒星となった。

 

 アーリーエントリーの吉田、19得点の活躍で勝利に貢献(川崎市とどろきアリーナ)

シャンソン化粧品シャンソンVマジック 81-69 ENEOSサンフラワーズ

【第1Q】16-18【第2Q】22-15【第3Q】22-13【第4Q】21-23

 

 既にイースタンカンファレンス4位が確定し、プレーオフ進出を決めているシャンソン化粧品が、11連覇中のENEOSに土をつけた。

 

 試合はイースタンカンファレンスでトップに立つENEOSがスコアを走らせる。C中田珠未の得点でENEOSが先制した。さらにG宮崎早織、GF岡本彩也花、GF林咲希の連続スリーポイントを成功し、序盤の3分で11-0とリードを奪う。CF中村優花の連続得点で15-0と勢いに乗ったかに見えた。

 

 対するシャンソン化粧品も反撃。G小池遥、CF野口さくらの活躍で点差を詰める。守っては激しいプレスをかけ、ENEOSをテンポ良く攻めさせない。第1Qは18-16とENEOSの2点リードで終えた。

 

 第2Qはシャンソン化粧品ペース。小池を中心とした攻撃で逆転に成功した。38-33でハーフタイムを迎える。後半に入っても優位に試合を運び、第3Q終了時点で差を14点に広げた。

 

 第4Qはアーリーエントリーで加入した拓殖大学4年のF吉田舞衣が10得点を挙げる活躍。ENEOSに追撃を許さなかった。吉田は後半だけでスリーポイントを5本成功させるなど、両軍最多タイの19得点。16得点10アシストのダブルダブルを達成した小池と共に勝利に貢献した。

 

 今季初黒星を喫したENEOSは梅嵜英毅HCが試合後、「相手に楽にバスケットをやらせ過ぎた。全体的にうまくかみ合わなかった」と語ったように悪いところばかりが目立った。ターンオーバーはシャンソン化粧品より6個も多い18個。相手のディフェンスに手を焼き、プレーの精度を落とした。

 

 皇后杯全日本選手権大会で8連覇を達成したものの、CF渡嘉敷来夢、C梅沢カディシャ樹奈が負傷した。インサイドの柱で、得点源でもあった2人を失ったのは大きな痛手だ。この試合は、万全でないF宮澤夕貴が「プレーオフを見据えて」(梅嵜HC)ベンチから外れた。

 

 それでも「ケガ人はいたかもしれませんが、勝ちは勝ち。自信になった」とキャプテンの小池が言うように、シャンソン化粧品にとってはプレーオフに向けて弾みがつく快勝だった。3月6日のプレーオフ初戦はウエスタンカンファレンス3位の三菱電機コアラーズとの対戦が決まっている。

 

 今季は日本代表のF 本川紗奈生(デンソーアイリス)、CF谷村里佳(日立ハイテククーガーズ)らが抜け、大幅な戦力ダウンを余儀なくされた。チームに復帰した李玉慈HCは、ここまでをこう振り返った

「かなり苦しいシーズンだった。ウチはどのチームよりも若い。これから良くなっていく期待感がある」

 

 この日のスターターの平均年齢は23.2歳。ENEOSと比較すると2歳以上も若い。レギュラーシーズンは残すところ、あと1試合。ENEOSに連勝し、勝敗を五分に戻せれば、翌週に控えるプレーオフへ勢い付くはずだ。

 

(文/杉浦泰介)