(写真:初防衛に成功し、シャンパンで勝利を祝う浜崎 ©RIZIN FF)

 21日、『RIZIN.27』が愛知・日本ガイシホールで行われた。女子スーパーアトム級タイトルマッチは女王・浜崎朱加(AACC)が浅倉カンナ(パラエストラ松戸)を2-1の判定で下し、初防衛に成功した。また朝倉海(トライフォース赤坂)が、榊原信行CEOからのバンタム級日本GPへの出場オファーを受諾。榊原CEOは同GP1回戦を5月開催を目指すことを明らかにした。

 

 浜崎vs.浅倉――。2年3カ月ぶりの再戦は、再びRIZINのベルトを賭けた戦いとなった。

 

 序盤から仕掛けたのは浜崎だ。スタンディングでパンチを繰り出した。KO狙いの積極的な試合展開を見せた。浅倉も応戦しようとするが、圧力に押されていたように映った。それでも浅倉もタックルでテイクダウンを奪い、マウントをとるなど徐々にペースを掴んでいく。

 

(写真:寝技で一本取りにいったが、浅倉にしのがれた ⓒRIZIN FF)

 グラウンドの攻防となっても、浜崎はアームロック、腕十字など寝技も駆使して浅倉をとらえようとするが3ラウンド計15分の間に決着はつくことはなかった。勝敗はジャッジに委ねられ、レフェリーが浜崎の右手を上げると、挑戦者の浅倉はうなだれた。

 

 試合後、浜崎は「一本、KOを狙っていたので悔しいです」と語った。タイトルを防衛したものの「しっかり練習し、圧倒して勝てるぐらいの強さを見せていきたいと思います」と満足する様子は見られない。

 

 とはいえ浅倉との熱戦を繰り広げ、メインイベンターとしての役割を果たしたと言えよう。“ジョシカク”の盛り上げたい気持ちからリング上では「若手に頑張ってほしい」とも口にした。
「次の世代に頑張ってほしいという気持ちもありつつ、負けたくないので、やるからには抜かれないように頑張りたいです」

 

(写真:競った判定結果となったが、浜崎の強さが際立った ⓒRIZIN FF)

 試合前に浜崎は浅倉について「2年前から、あまり変わっていない」と一刀両断していた。これは試合を盛り上げるためなどの意図もあったのだろう。浅倉も試合後にこう明かしていた。
「(最初は)そう思っているのかと感じていましたが、自分を奮い立たせるために言っていたんだな、と。試合後すぐに『煽ってごめんね』と言われたので、強い人はそうなのかなと思いました」

 

 実際には「一回りも二回りも強くなっていた」(浜崎)という。「寝技のディフェンス能力が上がっていたと思います」。浜崎は「機会があれば、もっと成長したカンナと戦いたい」と“第3R”への可能性にも言及した。

 

 RIZINはこれまで“ジョシカク”にも力を入れてきた。「このラインアップで勝負したことは良かった。カンナ×浜崎。女子の格闘技5年の歩みの中でひとつの集大成になったと思っています」と大会を総括した榊原CEOは「これで終わりということではない。次の扉をどう開けていくか」と意気込んだ。

 

(文/杉浦泰介)