セガサミー野球部は3月22日の東京都企業春季大会から公式戦をスタートしました。1月からオープン戦をいくつも重ねて迎えたこの大会。21年のシーズンもいよいよ始まったなと改めて気持ちが引き締まる思いです。今はコロナ禍という特殊な状況ですが、そんな中で野球に専念できる環境を与えられている。そのことに本当に感謝しながらプレーしていきたいと思っています。

 

 公式戦ならではの収穫

 春季大会を振り返りましょう。初戦の相手はJPアセット証券でした。ここは19年に連盟加入し、昨年から企業大会に参加。どんどん力をつけてきていて、足の速い選手が1番から4番まで並んでいるなど、なかなか手強いチームです。

 

 春季大会は都市対抗の予選を有利に進めるために、特に初戦がポイントになります。都市対抗予選を考えれば、どうしても勝たなければならない一戦です。先発は横田哲にしました。最初は別のピッチャーが先発予定でしたが、コンディション不良によって登板回避。大事な一戦ですから吉井憲治コーチと相談の上、横田に任せることにしました。初回に2点を失ったものの4回までよく投げてくれました。その後は伊波友和、石垣永悟、陶久亮太とつなぎ、延長10回、犠牲フライで1点をあげてサヨナラ勝ち。1点差でも形はどうあれ勝ててホッとしました。それにしてもJPアセット証券は粘り強い野球をしていて、強くなっていることを実感しましたね。

 

 次の東京ガス戦。ここは先発・横山楓を筆頭に飯田大翔、久保田淳希といった若いピッチャーを使いながら戦いました。若手を投げさせたのは草海光貴、森井絃人に続くピッチャーに出てきてほしいから。投手陣としてはこの3人と飯田大翔、舘和弥が投げ、3失点。上出来だと思っています。

 

 先発の横山は148キロのボールで相手打者に差し込んでいったし、良いボールを投げていました。コントロール、スタミナなどまだまだ課題はありますが、良いものを持っているなと改めて感じました。試合序盤は捕手・高本康平を起用し、横山と組ませました。2人は國學院大時代からバッテリーを組んでいたこともあり、良いところを引き出してくれたんじゃないでしょうか。キャッチャーのレギュラーは吉田高彰、須田凌平がいますが、高本もこうやって起用した試合ではどんどんアピールしてもらいたいですね。

 

 試合は東京ガスに2対3と惜敗し、次は3位・4位決定戦でNTT東日本と当たりました。NTTは強豪ですし、投手陣が良いチームです。ただ、今回に関しては仕上がり段階という印象でしたね。試合はセガサミーが4対2で勝利しました。

 

 先発した森井は仕上がりがまだまだですが、それでも失点することなく順調に来ています。あと左の氏家優悟が投げられたのが大きい。1イニング無失点で三振も奪った。去年はリハビリに専念していたので、現段階では十分でしょう。氏家と石垣永悟、陶久亮太のリリーフ陣には今年も頑張ってもらうことになります。

 

 野手ではドラフト候補の中川智裕は大会中にホームランも打つなど順調です。他のレギュラー組に関しても心配はしていません。NTT戦ではレフトに西村僚太を入れました。そうしたら4打数3安打と大活躍。西村はなかなか試合に出る機会がない選手ですが、こうやって使うときっちり期待に応えてくれる。こういう選手が結果を残すとチームの底上げにもなります。

 

 というわけで春季大会、セガサミーは3位で終えました。公式戦ですからオープン戦とは違う重みがあります。1敗はできても2敗はできないという状況で、投手はどう投げる、野手はどう守り、どう打つ。そういったことを考えてプレーしていく中で、こちらは選手の対応力などが見られる。公式戦は修正点や課題が見つかることも多く、もちろん収穫もたくさんありました。

 

 このあとはJABA四国大会(4月7日~11日)、同京都大会(4月25日~29日)、同九州大会(5月7日~11日)と続きます。四国大会は四国銀行、JR九州、ツネイシブルーパイレーツと同ブロックになりました。どの大会でも言っていることですが、初戦の入りが重要なのは変わりません。四国アイランドリーグplusの徳島インディゴソックスは別ブロックですが出場しますし、久々の四国ということで楽しみです。遠征先ではホテルにこもることになりますが、選手ともどもコンディションに気をつけて戦っていきます。

 

 4月4日には社会人野球・東京六大学野球対抗戦で明治大学と対戦します。神宮で戦うのはそれこそ法政大、広島カープ時代以来なので、こちらも楽しみですね。

 

 神宮といえばこの間、スポニチ大会を見に行きました。企業大会もそうですが、3月というのは他チームをじっくり観察できる時期です。もちろん見極めるのはライバルだけでなく、自分のチームも入っています。この後、試合が続けばやはりコンディション不良も出てくる。その中でどうやって経験をいかして戦っていくか。シーズン前半は社会人日本選手権が大きな目標ですので、そこに向け一丸となって頑張っていきます。

 

 センバツ、プロ野球の開幕と野球シーズンが真っ盛りです。そういえばセンバツに出場した常総学院(茨城)の島田直也監督は以前、徳島インディゴソックスの監督時代に戦った仲です。2回戦で惜しくも敗退となりましたが、かつての仲間がいろいろな現場で頑張っているのを見ると元気が出ますね。

 

 アイランドリーグ出身者では阪神の新人・石井大智が開幕1軍でした。石井は高知ファイティングドッグス時代から見ていますが、タフネスには定評があり、北米選抜にも選ばれた実力の持ち主です。開幕シリーズでは打たれていましたが、矢野燿大監督も期待しているようですし、ファイティングドッグス出身ということで藤川球児に続く活躍をしてほしいですね。私が指揮を執っていた香川オリーブガイナーズ出身者はもう中日の又吉克樹くらいですか。彼にももちろん頑張ってもらいたいですね。

 

 アマもプロも独立リーグも野球シーズン真っ盛り。暗い話題が多い世の中ですけど、皆さんに少しでも楽しんでもらえる、そういうプレーをお届けしたい。これからもセガサミー野球部への応援をよろしくお願いします!

 

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