14日、B.LEAGUEチャンピオンシップ(CS)が開幕した。レギュラーシーズンで東西カンファレンス各3位以内と、ワイルドカード(上記6チームを除く勝率上位2チーム)の8チームが覇を競う。一足先にクォーターファイナルを行った東地区優勝の宇都宮ブレックスはワイルドカード下位(東地区5位)のサンロッカーズ渋谷に92-84で先勝した。15日からは、その他3カードもスタート。西地区優勝の琉球ゴールデンキングスはワイルドカード上位(東地区4位)の富山グラウジーズと対戦する。

 

 2シーズンぶりのCSである。昨季は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、CSが実施できなかった。昨季を除く過去3シーズンはすべて東地区が優勝。西地区はファイナル進出チームすらなく、“西高東低”の勢力図が今季は塗り替えられるかに注目が集まる。

 

 西の逆襲の一番手が、西地区4連覇を達成した琉球だ。岸本隆一は「上位にくるのは東のチームが多いことは事実。意識していないかと言われたらそれは嘘になります」と語り、こう続けた。

「自分たちが優勝することによってそういうイメージは少なからず壊せるのかなと思いますし、僕らを応援してくれている方々もそれを望んでいる。みんなが抱くイメージをいい意味で壊せるように戦っていきたい」

 

 西地区最高勝率の琉球は、神奈川・横浜アリーナで行うファイナルを除き、ホームアリーナで戦うアドバンテージを得た。新ホームとなった沖縄アリーナは、1万人収容。「NBAクラスのアリーナ」との声もある。だが琉球は、今季1勝4敗と苦しんでいる。岸本隆一は「こういう舞台で勝つことがアリーナの魅力、キングスの魅力を伝えられる。とことん勝利にこだわっていく」と力を込めた。

 

“東高西低”を壊すためのCS第一関門は、強力な矛との戦いだ。対戦相手の富山はリーグ屈指の攻撃陣である。1試合平均得点(89.2点)、フィールドゴール成功率(50%)はリーグトップを誇る。今季アシスト王に輝いたジュリアン・マブンガは、得点ランキング3位のスコアラー。トリプルダブルは今季7度も達成しているオールラウンダーだ。

 

「オフェンスがすごく強いチーム。ウチとしてはディフェンスがキーになると思っています」と岸本。ハードワークが持ち味の琉球は、1試合平均75.2失点(リーグ3位)と守備に自信を持つ。リバウンド王のジャック・クーリーを擁し、1試合平均リバウンド36.8本はリーグ2位だ。インサイドで主導権を握ることで、富山の攻撃を断ち切りたい。

 

 レギュラーシーズンの対戦成績は1勝1敗で互角だった。初戦を取ったチームが、そのままセミファイナルへと駆け上がる可能性は高い。第1戦は15日13時5分にティップオフ。沖縄アリーナで凱歌を揚げるのはどちらか。

 

(文/杉浦泰介)

 

■関連記事はこちら

アナザーアングル

>>琉球ゴールデンキングス特集記事(2021年4月29日掲載)

>>富山グラウジーズ特集記事(2020年12月24日掲載)