諸見里しのぶ、「ゴルフの楽しさ伝えたい」 自身初の冠番組スタート!

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 プロゴルファー諸見里しのぶの冠番組『諸見里しのぶ 実践 ゴルフテク!』が5月9日にスタートした。これは諸見里による中上級者向けのゴルフレッスン番組。各界の著名人とのラウンド&トークを中心とした見応えのある内容に仕上がっている。ツアープロとしての15年間で日本女子プロゴルフ協会ツアー(JLPGAツアー)9勝をあげた経験と技術を惜しみなく披露している諸見里に番組の見どころを聞いた。

 

――5月9日より番組がスタートしました。放送後の反響は?

諸見里しのぶ: たくさんの方から「日曜日、いつも観てるよ」と声をかけてもらったり、知人からは電話もかかってきました。“これほど多くの方に観ていただけているのか”と私自身、びっくりしています。

 

――初めての冠番組ということでプレッシャーはありますか?

諸見里: 毎回、収録は緊張しています。(冠番組を持つことは)光栄なことですが、カメラの前でどれたけ話せるか、どれだけ技術的な面を見せられるかという不安がありました。スタッフの皆さんにも助けていただいています。これまでのゲストが俳優の田中健さんとプロ野球解説者の槙原寛己さん。お二人とも収録中、たくさん話をしてくださったので、私はリラックスして臨むことができました。

 

――番組のオファーを受けた理由は?

諸見里: 昨年から国内ツアーのコースセッティングや解説などいろいろな仕事に携わらせていただきました。そこで学ぶことがとても多く、もっといろいろなことにチャレンジしたいと思うようになりました。初の冠番組を引き受けることに不安はありましたが、まずは行動してみることが自分の成長に必ず繋がると思い、引き受けさせていただきました。

 

――2019年にツアー撤退を発表しました。1年以上、ツアーから離れてみて、ゴルフに対する見方は変わりましたか?

諸見里: 今と昔では全く違いますね。大きな視野でゴルフを観ることができていると思います。それまでは“私は私”と自分の考えに固執しているところがありました。また昔はプライベートでコースを回るのもあまり好きではありませんでした。でも、久々にプライベートでラウンドしたところ、1、2メートルのパッティングにものすごく緊張した。この緊張感は日常生活ではなかなか味わえないもので、ゴルフの楽しさを改めて実感しました。正直、ツアーを回っている時には、その緊張感が嫌でした。息ができなくなるくらい苦しかった時もありましたから。

 

――今年3月、地元沖縄で開催されたダイキンオーキッドレディスに出場しました。1年4カ月ぶりのツアーでした。

諸見里: イ・ボミちゃんと小祝さくらちゃんと同組で回りました。今、第一線で戦っている選手たちと一緒にラウンドして、とても楽しかった。こんなにゴルフが楽しいと思ったのはジュニアの時以来でしたね。

 

――ツアーから離れたことで、ゴルフのプレー面で変わったことは?

諸見里: 技術的なことはわかりませんが、以前よりも心の余裕があります。打ち方や攻め方など、いろいろなことにチャレンジしてみようと考えながら、ラウンドできている。自分に向き合えていると思います。

 

「ご縁のスポーツ」

 

――もう一度にツアーに参戦するという選択肢も浮かんできましたか?

諸見里: 同い年で同期の上田桃子が4月のパナソニックレディースで優勝しました。彼女が日本ゴルフ界を引っ張っていく姿にとても勇気がもらえましたし、“私もチャレンジしたい”という気持ちがないとは言えません。ただ生半可な気持ちでは上にはいけない。戻るには相当な覚悟が必要だと思っていますから、今は考えていません。

 

――昨年からはゴルフ解説のほか、国内ツアーのコースセッティングを担当しています。

諸見里: まだ私は自分目線でしか見られていないことが課題です。自分とはタイプの異なる選手が見えている景色をイメージできていない。以前、岡本綾子さんに付かせていただいた時に強く感じました。綾子さんはティーイングエリア(各ホールのスタート位置)に立った時にフェアウェイのライン取り、セカンドショットからグリーンを狙うピンの位置のイメージがパッパッパとできている。先輩たちが見えているものを、私自身、もっと知識をつけて見えるようにしていかないといけないと日々、実感しています。

 

――簡単過ぎてもダメですし、難しすぎてもいけませんよね。

諸見里: その塩梅はすごく難しい。天気や風の状況によって、同じコースでも戦い方は変わってきますから。私の中で気を付けているのは攻めるところ、守るところをつくること。1日のゴルフで気持ち的にもスコア的にもメリハリのあるコースセッティングを心がけています。今年は4試合コースセッティングを任されて、少しずつやりたいことが見えてきた気がします。

 

――JLPGAツアーと、その下部にあたるステップ・アップ・ツアーではコースセッティングの仕方が変わってきますか?

諸見里: 私はありがたいことに2年目にして、どちらのコースセッティングも担当させていただけました。今は先輩方についてもらっている段階で、まだ勉強中の身分ですが、今後はステップ・アップ・ツアーを経験した選手が“JLPGAツアーは難しい”ではなく“JLPGAツアーの方が攻めやすい”と思うようなコースセッティングをしたいと思っています。

 

――改めて番組の意気込みを聞かせてください。

諸見里: 技術的なことに加え、ゴルフの楽しさ、素晴らしさを伝えていきたい。ゴルフはご縁のスポーツだと思います。私はゴルフを通して、たくさんの方たちと出会うことができました。いろいろなことを学び、人として成長できた。私は2019年までツアープロとして活動してきましたが、ゴルフの魅力に加え、プロゴルファーの大変さも番組で伝えることができたらいいなと考えています。

 

――今後の目標は?

諸見里: この1、2年は将来、自分が何をやりたいかを見つけるため、いろいろなことにチャレンジさせていただき、毎日が充実しています。今年のダイキンオーキッドレディスで桃子と話した際、「しのぶの人生だから思ったことをやりなよ」と言われました。彼女の言葉が私の背中を押してくれています。自分が少しでも迷った時には、この言葉を思い出し、物事にチャレンジする勇気をもらえている。まだ将来の目標は明確になっていないのですが、今はこの番組などを通して、私が経験してきたゴルフの素晴らしさをひとりでも多くの人に発信し続けていきたいと思っています。

 

諸見里しのぶ(もろみざと・しのぶ)プロフィール>

1986年7月16日、沖縄県生まれ。ダイキン工業株式会社所属。9歳でゴルフを始める。ジュニア時代は数々の大会で優勝を飾った。おかやま山陽高校在学中にプロトーナメントに参戦し、上位に食い込んでみせた。05年7月にプロテストに合格。日本女子プロゴルフ協会ツアー(JLPGAツアー)3試合に出場し、翌年のシード権を獲得した。06年にSANKYOレディースオープンでツアー初優勝。07年には日本女子オープンゴルフ選手権で国内メジャー初タイトルを手にした。また女子ワールドカップに2度(07、08年)出場。09年はワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ、日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯の国内メジャー2勝を含む、6勝をあげた。同時に史上8人目となるJLPGAメジャー3冠を達成。身長160cm。

 

(写真:©AMD)

 

 BS11では「諸見里しのぶ 実践 ゴルフテク!」(毎週日曜18時30分~19時)を放送中です。次回の放送日は6月13日(日)。ゲストは、前週に引き続きプロ野球解説者の槙原寛己さんです。是非ご視聴ください。

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