6・13東京ドーム『RIZIN.28』が目前に迫っている。

 格闘技イベントが東京ドームで開催されるのは、実に14年6カ月ぶり。2006年12月『K-1WORLD GP決勝戦』(セーム・シュルトが優勝)以来である。総合格闘技に限れば、2003年11月9日の『PRIDE GRANDPRIX決勝戦』(アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラが優勝)以来17年7カ月ぶりとなる。

 

『RIZIN.28』の全対戦カードは以下の通り。

(写真:新設のバンタム級日本グランプリも行われる ⓒRIZIN FF)

 豪華なラインナップだ。

 どの試合をメインイベントに据えるか、主催者も迷ったことだろう。

 

 格闘技は実力至上が前提。

 その考えの下、チャンピオンベルトの価値を重んじるならば、ライト級タイトルマッチであるトフィック・ムサエフvs.ホベルト・サトシ・ソウザをメインに置くのがセオリー。だが敢えて「次期フェザー級王座挑戦者決定戦」の意味合いが強い朝倉未来vs.クレベル・コイケを持ってきた。

 これは、ライトな層まで含めたファンの注目度を重視しての決定だろう。

 

 セミファイナルには那須川天心が登場。「ほぼボクシングルール」で3選手を相手に闘うことになった。

 試合形式は、3分3ラウンド。対戦する相手がラウンドごとに変わる変則マッチだ。シューズを着用するかしないかは自由。バックハンドブロー、スーパーマンパンチ(ジャンプしてから打ち落とすパンチ)は認められる。

 

 対戦相手の1人目は、『RISE』のリングで活躍する21歳の新鋭キックボクサー大﨑孔稀。そして2人目は、元K-1ファイターHIROYA。

 これには、ちょっと驚いた。

 

 那須川とHIROYAは明らかに階級が異なる。両者の間には、10キロ以上のウェイト差がある。そのためグローブハンディがつけられるとのことだが、かつては「魔裟斗2世」と呼ばれたHIROYAもなめられたものだと思う。

 体格的には絶対優位なHIROYAは、那須川のスピードとテクニックに翻弄されてしまう不様な闘いは許されない。盛り立て役に徹する、つまりは与えられた仕事をするのではなくファイターとしての意地を見せてもらいたい。

 

 3人目はボクシング元世界王者か

 

(写真:1対3の変則マッチに挑む那須川<右> ⓒRIZIN FF)

 注目の3人目は「X」とされた。

 すでに決まっているが、あえて発表はしないという演出。

 那須川には当然伝えられているが、ファンに対しては「当日のお楽しみ」というわけだ。

 

「X」とは誰か?

 RIZIN榊原信行CEOは、那須川の対戦相手を発表した際に、ヒントとなる言葉を発している。

「天心の蹴りが封印されることで一気に面白くなる相手」

「お茶の間でテレビを観てくれている人にも興味を持ってもらえる選手」

 

 ここから推測できるのは、知名度の高いボクシング元世界チャンピオンであるということ。

「X」は、次の3人の中の誰かだろう。

 亀田興毅、亀田大毅、内山高志。

 

 果たして、私の推察が当たっているか否か。それは、当日のお楽しみだ。

 なお、1ラウンド、あるいは2ラウンドで那須川がKO、TKO負けを喫した場合は「X」は登場しない。

 

『RIZIN.28』の模様は、フジテレビ系列で当日20時から全国に放映される。メインイベントの朝倉vs.クレベル、セミファイナルの那須川天心「1対3」スペシャルマッチは生中継となる予定だ。見逃せない!

 

近藤隆夫(こんどう・たかお)

1967年1月26日、三重県松阪市出身。上智大学文学部在学中から専門誌の記者となる。タイ・インド他アジア諸国を1年余り放浪した後に格闘技専門誌をはじめスポーツ誌の編集長を歴任。91年から2年間、米国で生活。帰国後にスポーツジャーナリストとして独立。格闘技をはじめ野球、バスケットボール、自転車競技等々、幅広いフィールドで精力的に取材・執筆活動を展開する。テレビ、ラジオ等のスポーツ番組でもコメンテーターとして活躍中。著書には『グレイシー一族の真実 ~すべては敬愛するエリオのために~』(文春文庫PLUS)『情熱のサイドスロー ~小林繁物語~』(竹書房)『キミはもっと速く走れる!』『ジャッキー・ロビンソン ~人種差別をのりこえたメジャーリーガー~』『キミも速く走れる!―ヒミツの特訓』(いずれも汐文社)ほか多数。最新刊は『プロレスが死んだ日。』(集英社インターナショナル)。

連絡先=SLAM JAM(03-3912-8857)


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